Zoom、第1四半期収益が169%増に 業界標準への決め手は“体験”のあり方?
ビデオコミュニケーションアプリZoomは6月2日、決算説明会を行い、2020年4月末までの第1四半期で、収益が前年比169%増の3億2,800万ドル(約350億円)に達したことを発表した。
10人を超える従業員がZoomのプラットフォームを使用している企業は、およそ265,400社で、前年から354%増加しているという。Zoomの株価は、決算報告後の時間外取引で4%近く上昇した。
パンデミックで需要拡大も、今後はどうなる?
『CNN』はZoomについて、CEOであるEric S. Yuan氏へのインタビューを交えた記事を公開した(参考:https://edition.cnn.com/2020/06/02/tech/zoom-earnings-coronavirus/index.html)。
同氏はインタビュー内で「在宅勤務とソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の取り組みにより、Zoomビデオプラットフォームのトラフィックが大幅に加速した」と述べている。
Zoomの事業は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、より多くの利用があったことで間違いなく恩恵を受けてきたが、一方で望ましくない問題も噴出した。
不審者がビデオ会議に乱入し不快な行為を行う「Zoom-Bombing」が発生し、Zoom使用を禁止する団体も報告された。事態を重く見たZoomは急遽、90日間のプライバシー・セキュリティ強化期間を設けて、対策を次々と打ってきた。
調査会社Global Market Insightsの最近の報告によると、ビデオ会議市場は2019年の140億ドルから、2026年までには500億ドルに成長すると予測されている。Zoomは、今後3カ月の見通しを上方修正し、4億9,500万ドル~5億ドルの収益を見込んでいるという。
Zoomの収益のほぼ3分の1は、長期的な契約ではなく、月々の契約を結ぶ小規模な顧客で占められている。CFOのKelly Steckelberg氏は、多くの人々が仕事の現場に復帰するにつれて、一部の顧客が脱退する可能性があることを認めている。
しかし、これを機にリモートワークが見直され、企業側への理解も広がったことで、今後の需要はある程度、期待を持っていいだろう。