嘘つきオオカミちゃんの正体と衝撃的な“真実” 美しくも哀しすぎる『月とオオカミちゃんには騙されない』最終話

『月とオオカミちゃん』最終話レビュー

 だが、物語はここで終わらない。りょうすけのりこに向けた告白で、さらなる切ないドラマが待っていた。「最初は面白い人だなと思ってて、だんだん好きな人に変わりました。これからも2人で笑えたらなって思います」と優しく伝えたりょうすけだったが、りこの手から風船は離れ、空に向かって無情に飛んでいく。これまでの安定ぶりから信じたくはないが、彼女はオオカミちゃんだった……。りこから渡された手紙を手に、涙を流しながら「つらかったよな」とつぶやくりょうすけ。その言葉の真意は? 2人の絆は、嘘だったのか……? そして、手紙に書かれていた「本来なら失格になってたはず」の意味は? すべては、ホワイトデーのシーンにさかのぼる。

 ベンチで話していた2人だが、幸せでいっぱいになったりょうすけが「泣きそう」と言ったのをきっかけに、感情があふれ出したりこが大粒の涙を流し始める。戸惑うと同時に、察してしまうりょうすけ。この時点で、りょうすけはりこがオオカミちゃんだと気づいていたのだ……。だが、絶望を飲み込み、努めて明るく振舞うりょうすけ。りこは「私の涙に気づかないふりして、私の役を全うさせようとしてくれた。やっぱりずるいよ、りょうすけくん」と手紙の中に感謝を綴る。

 そして、りこの手紙は「最後に一言だけ伝えさせてください。2人で手をつないで見上げたあの月は、私が今までに見た月の中で一番綺麗でした。これだけは100%だって信じてもらえたら嬉しいです」と締めくくられていた。これは何を示しているのか? 1つは、2人の関係が急速に近づいた第4話のプラネタリウムデート。そしてもう1つは――おそらくだが、第3話でヒナが「『月が綺麗』は昔の人にとって『愛してます』って意味だった」と2人に教えたシーンの伏線回収だろう。オオカミちゃんは「好きです」と伝えてはいけない。だからこそ、2人の思い出に想いを託したのだ。

 空を見上げて、「好きだったな、マジで」とつぶやくりょうすけ。確かに両想いだったのに、結ばれなかった2人。こうして、波乱の連続だった『月とオオカミちゃんには騙されない』は幕を閉じた。

 恋愛リアリティショーでありながら、恋をしてはいけない“オオカミ”がいることでスリルや切なさが倍増する『オオカミ』シリーズ。中でもとりわけ、今回は美しくも哀しいシーズンだったといえるだろう。

 ちなみに、スペシャルエピローグでは、りこの“その後”が描かれるという。彼女がどんな想いであの場に立っていたのか、本当の意味での“完結”がそこにはあるはずだ。ぜひ最後まで、見届けてほしい。

■番組情報
『月とオオカミちゃんには騙されない』
毎週日曜よる10時よりAbemaTVにて放送
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
配信はこちら
YouTubeチャンネルはこちら
(c)AbemaTV

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