YouTuberカルマ&もえりん、なぜ若者から圧倒的支持受ける? 幼馴染二人の“カリスマ性“から紐解く
ほかにも、視聴者からのコメントで、欅坂46の渡邉理佐に似ていると言及されていたもえりん。さらに渡邉に近づいてみようと、髪型のアレンジを試みた動画にも多くの反響が集まっていた。そんなもえりんの強みのひとつとして、彼女と同性である“女子がなりたい”と思う、愛されルックスがあげられる。
前述した美容系企画から、渡邉に会うために欅坂46の握手会に初参加した際のレポートや、ただYouTubeを観ながら出前のご飯を食べる“干物女”のルーティン紹介、運転をしながら和やかにトークをするドライブムービーまで、もえりんの動画はとにかく疲れずにリラックスして観ていられる。視聴者からは挨拶などに「元気がない」と間違えられるそうだが、彼女の落ち着いた話し声はまさに癒し。視聴者が身近な距離感で長く付き合っていける、“消費者が本当に求めていたもの”ではないだろうか。そのゆるりとした雰囲気こそ、彼女のカリスマ性を確立させているように思う。
もえりんとは対照的に、若手YouTuberのなかでも飛び抜けて“ぶっとんだ”企画を生み出し続けているカルマ。2020年3月3日現在のチャンネル登録者数は135万人を誇り、これまでにはラファエルの支援を受けてヘリコプターから宅配ピザをデリバリーしたり、山崎賢人ら著名人に変装し、街中に繰り出して大観衆を呼び寄せたりと、一つひとつの企画がとにかく大掛かりな印象だ。
加えて、カルマ自身のミステリアスで世俗を超越したキャラクターも規格外といえる。ネイティブスピーカーと遜色ないほどに堪能な英語や、芸能人とも親交があるなど、その経歴や交友関係はいまだ未知数。たびたび「マイブームが自分」と動画テロップで評している通り、飄飄とした態度で絶対的な自信を振りかざす姿も最高だ。
実際にとあるドッキリ企画では、「山崎賢人が登場する」と事前にターゲットの期待感を上げておきながら、いざカルマが登場した際には何とも言い難い雰囲気に。それでも、あくまで自分が山崎本人かのように握手の手を差し出すなど、徹して予想の斜め上をいく人物だ(ちなみに筆者は、カルマは山崎賢人にわりと似ていると思う派である)。そんな奇抜さを引き立たせる背景には、フリー素材の映像や音楽などを緻密に組み合わせた彼の編集力にある。特に、映像に対する音楽の当てはめ方は、彼の脳内を見てみたいと思うほどユニーク。奇特な人柄とそれを際立たせる確かな技術が、カルマの動画に“カリスマ性”を与えるのだろう。