相馬トランジスタ、初監督映画『誰にも会いたくない』を語る 「少しでもひきこもりの人の力に」
「少しでもひきこもりの人の力になれれば」
ーーあらためて、この作品で表現したかったことについても聞かせてください。
相馬:今回上映会をする滋賀県彦根市に、ひきこもりの人の支援をしている「誰にも会いたくないカフェ」っていう取り組みがあって、そこが題材になっているんですよね。それで、ストーリー上、主人公は幸せになるんですけど、きれいごとだけじゃ救われないよな、と思って。僕もひきこもりだったからわかるけど、基本的に救いはないんですよ。だから、映画でカフェに集まる4人のなかで、成長できない人がいるようにしました。
そういうリアリティもありつつ、どうしたらひきこもりを脱却できるのか、考えて動くきっかけになればいいなと思ったんです。この映画の登場人物たちが、社会とか、親とか、コミュニティとかとつながって、成長していく様子をひきこもりの人が観てくれて、少しでも力になれればいいなって。立ち直れない人がいる、という残酷さは残っているんですけど、人生はそこで終わりじゃないし、一回の失敗でへこたれるんじゃないぞ!ということも伝えられたらと。
ーーそうした切実なメッセージが込められた作品ですが、初監督作品ということで、仕上がりはどうでしょう?
相馬:正直、もっといいものを作りたかったという、悔しい思いが強くて、「観てほしいけど観てほしくない」という複雑なところもありますね。当たり前ですけど、普段の動画とは何もかも、全部違うので。
ーーその経験を生かして、新作を作りたい、という思いも……?
相馬:できたらいいですね。でも、いまはチャンネルが大事な時期なので、考えるのはYouTuberとしての基盤がしっかりしてからかなと。将来的には、借りは返したいし、一話完結のドラマみたいなものは撮りたいですね。金森監督も「次は自分の力だけでやると最も白いよ。カメラマンとかはやってあげるから」と言ってくれて、いつかやりたいですね。
ーー金森監督も、ヒカルさんやてつやさんもそうですが、相馬さんはものすごく愛されていますよね。
相馬:昔からヒモ体質なんですよね(笑)。女の子からは全然なんですけど、特にYouTuberからは本当によくしてもらってるなと思います。