過激派YouTuber・へきトラ復活 新チャンネルで見せる“削除覚悟”のエンターテイメント
4月に解散を発表した人気YouTuberトリオ「へきトラハウス」のへきほー、相馬トランジスタの2人が5月17日、新チャンネル「へきちゃん☆トラちゃん」を開設した。
同日に公開された動画「Episode 0 〜おまめ覚醒〜」では、宇宙戦争でほとんどの生命体が絶滅してしまった「惑星キマグレクックックー」の唯一生き残った「宇宙船ジェネシスワン」の乗組員2人が新たな移住先を求めて地球にやってくるーーというストーリーが展開された。そこで乗組員が目をつけたのが、へきトラハウスを解散したへきほー、相馬トランジスタ。解散後、企画が思い浮かばず、自殺してしまった2人の身体を乗っ取り、地球侵略のためにYouTuber活動を開始する……という、ブラックユーモアが効いた内容だ。
昨今、YouTubeでは規制が厳しくなり、削除対象となる動画も増えてきた。Bloombergでも報道されたように、YouTube広報担当者は、「一般的に過激なコンテンツは(YouTube上で)成功しない」と伝えたとされている。
ただ、へきほーが語っているように、彼らの真骨頂は”過激”というよりも”気持ち悪さ”にある。今でこそ服装や髪型に気を使い、スマートな装いになっている彼らだが、「ラフハウス劇場」という名前で活動していた頃は長髪姿で、お世辞にも「かっこいい」とは言えない。アップロードされた動画も、不思議な世界観溢れる寸劇や、DJイベントでへきほーが佐伯誠之助の楽曲を流すとドン引きされている姿などが筆者としては印象に残っている。「不快」と受け取る人も少なくなさそうだが、妙に引き込まれてしまうコアなファンも多い。
そこから「へきトラハウス」へと名前を変え、チャンネルBAN対象である動画約300本、1億回以上の再生数を捨てて「ポップ」なことを突き詰め、チャンネル登録者数146万人を達成。今回の新チャンネルは、そんな成長した彼らだからこそできる新境地とも言える。「見せ方」を知った上での「過激さ」であり、「気持ち悪さ」があるように思えるのだ。
新チャンネルについて相馬トランジスタは、へきほーの趣向を最大限にアシストし、「好きなことで評価を得たい」と、ヒカルと相馬のコラボ動画にて語っている。(参考:【未公開シーン】YouTuberの中で最もスター性が高いやつって誰?【24時間タクシー】」)
へきほーが、天竺鼠の川原や野生爆弾のくっきーのシュールで尖ったネタのように、とっつきにくいが一度ハマると抜け出せないタイプ表現が好きで、「マニアックになりすぎると意味ないけど、堅実性を解放しきったらモンスターが生まれると思う」「僕もシュールなの好きだからアシストしたい」と明かしているように、「へきちゃん☆トラちゃん」の動画は、好きな人にとっては何度も見たくなる、クセになってしまう内容だ。
もっとも、かなりギリギリなネタを攻めているため、3本目にして年齢制限がかかっている。しかも、普通は規制が入る要素がないであろう「踊ってみた動画」でだ。内容については苦手な人もいるに違いないのでここでは触れないが、電撃ネットワークやたけし軍団を彷彿させる笑いで、こだわられた画面作りはアート的にも見えてくる。目を覆いたくなるシーンに批判も多そうだが、現状、他人を巻き込まず、2人の間で完結しており、どこか微笑ましさも感じる内容になっている。