主人公が疲れ、重心に影響され、靴履き潰す 小島秀夫新作『Death Stranding』緻密なリアリティ

『Death Stranding』の緻密なリアリティ

 『東京ゲームショウ2019(TGS2019)』で最新のゲームプレイ映像などがお披露目となった11月8日発売の『Death Stranding』。今回はその映像を踏まえたレポートをお届けしたい。

「メタルギア」生みの親、小島監督が作る最新作

 世界的ヒットを巻き起こした『メタルギア』シリーズを世に送り出した小島秀夫監督が立ち上げた「コジマプロダクション」。同プロダクションが制作する新作『Death Stranding』は制作が決定した当初より、日本のみならず世界から注目されていた。

 そして、今回の『TGS2019』では、シアタームービーとゲームプレイ映像が公開された。

荒廃した世界が舞台

『DEATH STRANDING』英語音声・日本語字幕 / ブリーフィング 4K

 ゲームの舞台は「『デス・ストランディング』の発生により荒廃してしまった世界」。世界は荒廃し、かつてアメリカと呼ばれた国はなくなってしまい、同国を再建するためにバラバラになっている拠点間を繋ぐのが、今作の主人公「サム・ポーター・ブリッジズ」だ。

リアルを追求した描写

『DEATH STRANDING』英語音声・日本語字幕 / ルーデンス・マニア編 4K

 リアルを追求したグラフィックはもちろんだが、システムにもこだわりポイントが見られる。ゲームデモ映像は主人公が草原で用を足すところから始まるのだが、尿量もパラメーター化されており、溜まりすぎると漏らす、といったシステムもあるのだろうか。山を登る時には足が遅くなり、荷物を下ろすと持ち物の重量が減ったり、歩き続けるとサムは疲れ、さらに歩き続けると靴が摩耗して壊れるという、現実では確かに起こっている自然現象だが、これらがゲームでは実装されることは少ない。だが、『Death Stranding』ではこういった現象が常に発生するのだ。

 どれだけ技術が発展しても、いつの時代もアナログな方法は消えない。それは『Death Stranding』の世界でも同じだ。『Death Stranding』の世界ではカイラル通信による高速な通信が可能で、3Dプリンターのようにデータからものを作り出すことだって可能だ。

 だが、そんな世界でも「命あるもの」や「思い出の品」などは通信で送ることはできない。そういったものを実際に道を歩いて届けるのがサムの役割だ。サムは1人で孤独に物を運ぶのだが、1人であって1人ではない。

 また、他のプレイヤーが置いたハシゴやロープ、物資などをオンラインで共有することができる。プレイヤー同士が協力して材料を集めることで、安心して休むことができるセーフハウスを立てることだって可能だ。

謎の存在「BT」との接触

 同作では、荷物を運ぶ道中に謎の存在「BT」と対峙することとなる。死後の世界と繋がっている謎の存在「BT」は、生きているサムには見えないが、彼の立てた音には反応するので、音を立てないように立ち回ることが重要だ。

 戦うこともできるが、運搬している荷物に加えて多くの武器を持つことはできないため、物資の量を考えて逃げることも重要だ。

荷物の持ち方、ルートの決め方も自由自在

 『Death Stranding』では運ぶ荷物の持ち方、ルートも自由自在だ。荷物は背中に背負う、肩や足に装着する、中身だけ取り出して体にくくりつけるなど、様々な形で持つことができる。

 重心という概念もあり、重心が傾いていると傾いている方向に身体が振られたりと、かなり細かい。もっとも、自分で荷物の持ち方を決めるのが面倒な場合は、自動で最適化も可能なので安心してほしい。

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