東海オンエアのサブチャンネル「控え室」はなぜ面白い? 200万人登録達成に寄せて魅力を解説
6人組YouTuberグループ・東海オンエアのサブチャンネル「東海オンエアの控え室」が、チャンネル登録者数200万人を突破した。本稿では、東海オンエアというグループの基本的な情報とともに、サブチャンネルならではの魅力をお伝えしたい。
東海オンエアは、愛知県岡崎市を拠点に活動する、てつや、しばゆー、りょう、としみつ、ゆめまる、虫眼鏡による6人組グループだ。メンバーの特徴を簡単に説明すると、リーダーのてつやは、ぱっと見なかなかのイケメンながら、自らにリスクを課すのが大好きで、ときに天然ぶりも発揮する天才肌。YouTuber界随一のギャグマシーンで、脱退騒動も乗り越えた東海(オンエア)の主砲「しばゆー」、イケメン(本人は否定)担当でクリーンなイメージながら、いたずら好きで意外と無茶もする「りょう」、ポンコツ扱いされることも多いが、歌にモノマネと芸達者で、関ジャニ∞横山裕似のビジュアルも人気の「としみつ」、酒や女性関係のだらしないエピソードが印象的で、ラジオDJにメンバーシップ登録者限定コンテンツの制作など急成長中の「ゆめまる」、そして、元小学校教員という異色のキャリアを持ち、見た目も優等生的でありながら、“サイコ”な言動や企画も冴えるグループのブレーン「虫眼鏡」の6人でフルメンバーだ。
ときに目を背けたくなるようなチャレンジングな企画もあり、画面がモザイクで満たされたり、プチ炎上したりということも珍しくない。しかし同時に、地元岡崎の観光伝道師も務めており、自治体や政府広報という公的機関からも愛される人気者たちだ。メインチャンネルの登録者数は410万人を超え、若者を中心に高い人気を誇っている。
さて、そんな彼らの日常を垣間見られるのが、サブチャンネル「東海オンエアの控え室」である。メインチャンネルで行なわれる練られた企画ではなく、編集も最低限。突発的な面白いやりとりが動画化されることが多く、「同時に動画が上がれば、サブチャンネルの方から見てしまう」というファンも少なくない。もちろん、基本的には一般に開かれた内容のメインチャンネルの動画と比較して、これまでの文脈に依存する部分も大きく、初見では呆気にとられる人も多いはずだが、メンバーの関係性やノリがわかってくると、クセになる面白さがある。
と言っても抽象的で伝わらないと思うので、サブチャンネルの恒例になっているテーマをいくつか紹介しよう。
晩御飯じゃんけん
ファンが楽しみにしている行事のひとつに、「晩御飯じゃんけん」がある。主に撮影が終わり、「メンバーみんなで食事をしよう」というタイミングで行われるもので、つまり「じゃんけんで何を食べるか決める」というシンプルな内容だ。そのなかで、必ずと言っていいほど、自分も含めて誰も行きたがらない店を指名するメンバーが出てくるのが面白い。当サイト記事「東海オンエア、政府広報提供の動画を公開 “過激派YouTuber”が公的機関にも重用される理由は?(https://realsound.jp/tech/2018/09/post-256034.html)」でも解説したが、メンバー間でリスクを与え合い、結果として、(見ているぶんには楽しい)無茶な行動するのが、彼らが愛される理由のひとつのように思える。
東海オンエアにとって、じゃんけんの結果は絶対だ。例えば、イベントで訪れた北海道の夜、メンバーの大半が「ジンギスカンを食べたい」と思っていても、「すすきので(先ほど食べたばかりの)味噌ラーメンを食べる」と提案したメンバーが勝てば、粛々とそのプランが実行される。食事だけでなく、「一人称」や「語尾」を一定期間変えなければいけない、などの罰ゲーム付きのじゃんけんも度々行われており、日常生活に支障をきたすこともザラだ(企業の偉い人が出席するお堅い会議でも、一人称を「わし」で通したり、語尾を「ごわす」にしなければならない)。20代も半ばにして、本気でバカをやっているメンバーの姿に、不思議な癒しを感じてしまう。
いたずらシリーズ
いたずらシリーズも、再生数が伸びる人気コンテンツだ。例えば、メンバーの誰かが、財布やケータイ、靴などを隠される。隠した犯人を見事当てることができれば、犯人は土下座して謝り、無実のメンバーを指名してしまうと、「冤罪により傷つけた」として、逆に土下座しなければならない。ターゲットにされたメンバー(主にリーダーのてつや、としみつ)は、隠された場所や、カメラが回ったタイミング、その日の撮影スケジュールなど、もろもろの要素をヒントに頭を悩ませるが、結果として理不尽に土下座をさせられるケースが多い。
昨今、ネット上で「いじめ」と「いじり」の境界について議論されることがあるが、信頼関係の有無がそれを分けるとすれば、間違いなく東海オンエアのいたずらは「いじり」に当たる。メンバーで唯一「キレる」イメージのあるとしみつがターゲットになり、結果としてカメラが追いつかない速度で美しい土下座を決めたシーン(動画:としみつの靴がなくなってしまいました)を見れば、東海オンエアのいたずらは“おいしい”いじりであることがよくわかる。とはいえ、ファンには若年層も多いことを考えると、信頼関係が希薄ななかで安易に真似をして、本気でケンカに発展する……なんてことがないように、少し注意しておきたいところだ。