Terry Rileyの記事一覧

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テリー・ライリーは「ミニマリズム」として知られる、音の短いパターンが反復する音楽スタイルの発明者。70年から北インドの伝統音楽を学ぶ熱心な学生であり、その影響のもとにオリジナルな音楽を作り上げた。アコースティックからエレクトロニックまで幅広いインストを駆使した作品は、ラーガという北インドの民族音楽を起源とするメロディ・ラインや、音のパターンを複雑に織り込んだサウンドをかぶせたリフやドローンの繰り返しから始まることが多い。音のパターンはスピーディに展開するが、下敷きになるハーモニーは曲の最後まで動かない。このハーモニーの不動性は、聴くものに平和で夢を見るようなトランス感を与え、80年代から90年代にかけてのニューエイジ/アンビエント・ムーヴメントに多大な影響をおよぼした。また、ライリーは、よりドライヴ感のあるリズムを使ったプログレ寄りの作品も発表しているが、ピアノとサックスによるアコースティック作品では70年代初期のジャズ界を熱くしたワールド・フュージョンを想起させる。