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「あそこの息子さんは、なんでもそつなくこなすわねぇ」なんて同級生のお母さん連が噂するような優等生、けど裏では高級エロ本(?)とかを先取りして横流ししているようなガキ大将。そんな雰囲気が感じられるグレイト3の片寄明人(vo&g)、高桑圭(vo&b)、白根賢一(vo&dr)は日本の音楽シーンにおける「知的ヤンキー」といえる。
———ロッテンハッツ解散直後の94年、メンバーだった3人が気持ちを新たにグレイト3を結成(残りの3人はヒックスヴィルを結成する)。ギター、ベース、ドラムというシンプルな構成に、ホーンやピアノ、プログラミングを多彩に取り入れ、天才気質たっぷりに繰り広げるさまがオルタナ・リスナーに広く受け入れられる。また、ロック/ソウル/ディスコ/ジャズ/R&B/ヒップ・ホップといった様々なスタイルのなかからポップの欠片を拾い集め、我流にミックスするセンスは精緻でありながら豪快さも携えている。優等生的な「繊細さ」とガキ大将的な「荒削り」の二面性を、まさにそつなくこなしながら旨みを存分にかもしだしているのだ。
99年にシングル「I.Y.O.B.S.O.S.」発表後、高桑の体調不良によりバンド活動を休止。00年には片寄がソロ・アルバム『HEY MISTER GIRL!』(トータスのジョン・マッケンタイアがプロデュース)をリリースし、復活への待望が強まる中、いよいよ01年3月にシングル「QUINCY」、4月にはアルバム『May and December』を立て続けに発表。<シカゴ音響系>とのリンクもさることながら、バンド・サウンドの進化を感じさせる名曲の数々に思わず感涙である!!