『ブルーロック』“イガグリ役”青木柚が妙演 ムードメーカーとして光る“引き算”の演技

『ブルーロック』“イガグリ役”青木柚が妙演

 そしてもちろん、本作において栗夢がムードメーカーであり、コメディリリーフ的な稀有な存在であることも大きい。これまでに青木は数々の作品で、愛らしい少年の役や、誰かに想いを寄せられる若者の役を好演してきた。たとえばそれは、“3代目ヒロインの弟”を演じた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期/NHK総合)や、“無邪気な天使”に扮した『飛べない天使』(2023年)に『天使の集まる島』(2025年)、“切ない恋物語を歩む主人公の青年時代”を演じ上げた『秒速5センチメートル』(2025年)などがそうだ。

 青木が俳優業をスタートさせたのは、子役時代のこと。この『ブルーロック』に集った若者たちの中では、彼がもっとも経験豊富で、誰よりも長く、演技者として人生を歩んできた。これまでの出演作で笑いを取る俳優だという印象はそう強くはなかったが、本作で“イガグリ”こと五十嵐栗夢の役に配され、ムードメーカーとして何度も場を和ませている。

 物語の展開に合わせて緊張感を生み出すのは、この作品に集った俳優たち一人ひとりに求められているものだ。主演の高橋をはじめとする誰もが、作品の緩急における“急”の部分を担っている。では、“緩”に関してはどうか。これの多くを、青木が担っていると感じる。ムードメーカーとあって、この役どころを誰がどう演じるかによって、本作の印象はまるっきり変わってくるだろう。ただ騒がしいだけのキャラクターにだってなりかねない。

 青木の演技のサイズ感は、シーンによって繊細に変化している。出るところは出て、引くところは引く。それも、絶えずお調子者でありながらだ。この役どころをまっとうできるのは、それ相応の経験値を持った演技者だけだろう。青木が配されているのには大いに納得であり、「やはりプロだ」と膝を打たずにはいられないというもの。ポジショニングが正確で、自身のなすべきパフォーマンスも的確なのだ。この妙演でさらに、自身の俳優としての価値を拡張させることになっているのではないだろうか。

■公開情報
『ブルーロック』
全国公開中
出演:高橋文哉、櫻井海音、高橋恭平、綱啓永、野村康太、K(&TEAM)、青木柚、西垣匠、富本惣昭、倉悠貴、東啓介、畑芽育、窪田正孝
監督:瀧悠輔
脚本:鎌田哲生
原作:金城宗幸・ノ村優介『ブルーロック』(講談社『週刊少年マガジン』連載)
主題歌:Ado「モンストロ」(Capitol Records/ユニバーサル ミュージック)
制作:CREDEUS
製作:CK WORKS
配給:東宝
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS
公式サイト:BLUELOCK-MOVIE.JP
公式X(旧Twitter):BLUELOCK_MOVIE

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