『ラストノート』20歳差の恋に立ちはだかる現実 “澄晴”寺西拓人の「自分を信じて」が響く

『ラストノート』20歳差の恋に厳しい現実

 そんな葵に、澄晴がかけたのが「自分の声は聞こえてる? 自分を信じて。じゃないと後悔する。そう教えてくれたのは、葵さんでしょ?」という言葉だ。かつて自社のパフュームブランド創設プロジェクトに調香師として携わっていたが、周囲の意見を真面目に聞きすぎるあまり、自分を見失ってしまった葵。あのときの後悔があったからこそ、澄晴には自分の気持ちを信じるよう伝えたのだろう。ところが、葵はまた同じ過ちを繰り返そうとしていた。澄晴の言葉でそのことに気づいた葵は、今度こそ周囲の声に惑わされることなく、自分たちの声を信じて前に進むことを決める。

 一方、2人の交際に反対していた周囲にも変化が訪れる。葵に大阪行きを断られた奥田は澄晴への負けを認め、「これからも俺は葵の味方やから」と彼女の選択を受け入れた。別れの原因を作った本人が復縁を持ちかけるのは虫がよすぎる気もするが、最後には彼なりに過去へのけじめをつけたのだろう。

 莉奈もまた、これまで相談に乗ってくれていた葵にひどい言葉をぶつけてしまったことを後悔していた。そんな莉奈の本心を見抜いたのは、やっぱり龍太(草川拓弥)だ。「わかるんだよ、ずっと莉奈のこと見てたから」と、ついに一歩を踏み出した龍太の存在が、莉奈を前へ向かせる力になることを期待したい。

 そして眞澄も、なおも食い下がる優子に「いや、俺はもういい」と告げ、2人を別れさせることを諦める。さらに、息子をこれ以上苦しませまいと病気を明かさず、緩和ケア病棟で一人、最期を迎えることを決めた。一見すると唐突な改心にも映るが、オレンジの缶ジュースにまつわる記憶をたどれば、眞澄が不器用ながらもずっと澄晴を思い続けてきたことが分かる。

 幼い澄晴の大好物だったオレンジジュースを、眞澄が買うのは特別なときだけ。入院している母親に会いに行く日も、葬儀の日も、その手にはいつもオレンジジュースがあった。澄晴がもういい大人になってからも、会うたびに持参していたそれは、どうしようもない父親なりの、不器用な愛の象徴だったのだ。ラストでは、その眞澄が倒れてしまう。残されたわずかな時間の中で、すれ違い続けてきた父と息子は、今度こそ互いの本当の声を届け合うことができるのだろうか。

■放送情報
木曜劇場『ラストノート』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:内田有紀、寺西拓人、坂井真紀、桜井日奈子、草川拓弥、徳井義実、佐々木蔵之介ほか
脚本:的場友見
演出:相沢秀幸、中前勇児
プロデュース:三竿玲子
主題歌:椎名林檎「裸」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/lastnote/
公式X(旧Twitter):https://x.com/lastnote_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/lastnote_fujitv/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@lastnote_fujitv

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる