『豊臣兄弟!』の徳川四天王は“アベンジャーズ”級のカッコよさ 再登場に高まる期待

『豊臣兄弟!』徳川四天王は“アベンジャーズ”

 NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第34話における、徳川四天王揃い踏みのシーンがあまりにカッコよすぎたため、この物語の主人公が羽柴秀長(仲野太賀)であることを一瞬忘れそうになった。個性際立つ4人の侍が横並びで悠然と歩み寄るさまは、まさに「徳川アベンジャーズ」といった風情である。豊臣側が主人公の物語であるにもかかわらず、最終的に天下を取るのは徳川である、そのことを再認識させられるような、できれば敵に回したくない4人だ。

酒井忠次(天野ひろゆき)

 まずは、四天王最年長である酒井忠次である。演じるのは、お笑いコンビ「キャイ~ン」の天野ひろゆき。3作前の大河ドラマ『どうする家康』においては、大森南朋がややお調子者のムードメーカーとして演じていた役柄だ。だが、本来芸人である天野が演じる忠次には、お調子者の雰囲気は見られない(今のところ)。眼鏡を外しているせいかもしれないが、その眼光はあくまで鋭い。引き締まった体型の他の3人に比べてやや太り気味の体型も、最年長の貫禄を醸し出している。

 また、彼の特徴として、「声の良さ」がある。『どうする家康』第1話においても、今川義元配下の岡崎城代・山田新右衛門役を務めている。その際の「山田新右衛門である!」の名乗りが、バリトンの実にいい声で、できればもっと声を聞きたかったのだが、出番は30秒ほどで終わる。残念だ。その美声を買われたせいかは定かではないが、今回は酒井忠次役という大出世である。アベンジャーズ初登場の際の「ごめんつかまつる!」の挨拶も、張りがあり、3年前を上回る美声であった。

 となると、どうしても見たくなるのが、その美声を活かした「海老すくい」である。大森南朋が要所要所で歌い踊った海老すくいは、『どうする家康』忠次だけのオリジナルではない。江戸幕府の公式記録『徳川実紀』などにも、戦の前に忠次が海老すくいを歌い踊り、武田勢に怯える仲間たちを笑わせ、緊張をほぐしたエピソードが書かれている。忠次の海老すくいは、史実上の事実である。天野忠次がバリトンの美声で朗々と歌い上げる海老すくいを、期待している。

本多忠勝(夏生大湖)

 四天王の中で彼だけは、徳川家康(松下洸平)や石川数正(迫田孝也)とのトリオで、早い段階から登場していた。家康への忠誠心は高いが、いかんせんまだ若くて思慮が足りない、単細胞な猪武者という描かれ方だ。にもかかわらず、史実上では、今後の戦いにおいてもかすり傷ひとつ負わずに生き延びるらしいから、相当な悪運である。

 トレードマークとも言える大鹿の角をあしらった兜に漆黒の鎧、首からは大数珠をぶら下げ、武器は名槍・蜻蛉切と、その「戦国の悪魔将軍」みたいなコスチュームをすでにまとっている。その装備にふさわしい、人間的に成長した忠勝を見せてもらいたい。

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