『風、薫る』平埜生成の“ツンデレ医師”にハマる人続出? 3度目の朝ドラで際立つ信頼感

『風、薫る』平埜生成にハマる人続出?

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』の主人公二人は、それぞれに大きな出来事を経て、一ノ瀬りん(見上愛)は新潟へ赴き、大家直美(上坂樹里)は訪問看護の会を立ち上げるべく帝都医大病院を去った。そんな中、新潟出身で大病院の跡取り息子として帰郷していた医師・黒川勝浩(平埜生成)が再登場し、りんに看護婦への復帰を勧めた。今後も物語に深く関わってきそうな医師・黒川を演じているのは、朝ドラ3回目の出演となる平埜生成だ。

 帝都医大病院編では、外科教授の今井益男(古川雄大)や助教授の藤田邦夫(坂口涼太郎)といった個性豊かな医師たちが登場した。日本初のトレインドナースを受け入れた彼らは、最初は鼻持ちならない態度で、りんたち看護婦を見下していた。外科助手・黒川もまた、当初はかなり感じの悪い男だった。和泉侯爵夫人(仲間由紀恵)が入院した際には、「くれぐれも勝手なことをしないように」とりんたちに命じ、演じる平埜は「くれぐれも」に語気を込めて、鋭い目つきで睨んでいた。

 しかし、次第にナースの意義を理解するようになった帝都医大病院は、自ら看護科を設立するにまで至る。そしてその教師を、看護婦になったばかりのりんたちが兼任することに。医師の中からは、黒川が教師に任命された。その看護科で、看病婦のツヤ(東野絢香)が特別に授業に出席することを許される。黒川は、ツヤが字を書くのに苦労していることに気づくと、「覚える必要はない」と言いながら雑談をすることで、筆記をするための時間を稼いでやる。その気遣いには、黒川が単なるクールで厳しい男ではないことをうかがわせた。

 黒川はりんに、ツヤに学習は困難ではないかと話す。りんはそれでも「看護に関する漢字だけは書けるんですよね」と前向きだった。そんなりんに、黒川は「苦手だったなあ……ああいうpassionate teacher(熱血教師)」とつぶやく。けれど、その言葉とは裏腹に、実際にはツヤを気にかけている。ツンデレともいえる人物像を、平埜は大袈裟ではなく、滲み出る人の良さと、細かな目の表情だけで巧みに演じていた。

 りんと直美に手術室に入れと命じたときには、手術介助などできないと戸惑う二人に、黒川は「医師が手術室に入れと言ったら入るんだ」と一喝。結局何もできなかった二人には、「医者も実技研修を受けなければ手術はできない。落ち込むのは傲慢だ」と言い、さらに「看護婦の看護を受けたいという声が華族や政治家の間で増えている。手術室に看護婦がいれば患者は安心する」とも話す。真顔で、まるで怒っているかのようでいて、実は励ましている演技には、黒川の人格の豊かさを感じさせられた。

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