『VIVANT』後半戦を前に“真の敵”を徹底考察 “ジャミーン”本間さえは世界を変える存在に?

『VIVANT』残された謎を徹底考察

 堺雅人が主演を務めるTBS日曜劇場『VIVANT』は、現在2週連続で放送を休止しており、10月4日に放送される第19話から別班員奪還作戦がいよいよスタートする。第2シーズンの足固めのフェーズを終え、物語の全貌がようやく見えてきた現在の疑問点やこれからの展開などを、後半戦に向けて紐解いてみたい。

 まず、シンシーの狙いは何か。シンシーは「中国の別班」とも称される多国籍の民間情報機関・暗躍組織である。これまでに明らかになったシンシーの目的は、エリシャ・ママドフ(マナフ・ダダショフ)が発明した核融合を持続化させる技術だが、これまでの流れから見て、エリシャが出した条件はジャミーン(本間さえ)を探すことであることが推測される。

 それを裏付けるのは、公安刑事・野崎守(阿部寛)がシンシーの責任者であるハン・リンシン(宮下今日子)とイスラエルで面会した際の描写だ。テントの創設者であるノゴーン・ベキ(役所広司)が多くの孤児たちを救い、その子どもたちがバルカ各地で活躍しているという話を野崎がしたとき、ハンは「孤児院」という言葉に反応して席を外した。また、ベキの葬儀の際に参列者を撮る怪しい人物がいて、子どもを多く撮っていたことからも、彼らがジャミーンを探していたことが考えられる。

 「奇跡の少女」と呼ばれるジャミーンは、特殊能力として人間の「善悪」を感覚的に見抜くことができる。別班はこれをサヴァン症候群の類型と分析したが、今必要とされているのは善悪の判断能力ではなく、サヴァン症候群特有の異常な記憶力や計算力の方だろう。おそらく、エリシャが核融合させるためのデータや必要なパスワードの記録はジャミーンの頭の中にあり、彼女こそが正にキーパーソンなのだろう。

 乃木(堺雅人)がアリ(山中崇)に、ジャミーンについて「バルカでも安心して暮らせそう」と言った際に、アリが「ダメです!」と声を荒らげた場面があった。「ジャミーンの安全が脅かされれば、核融合技術をめぐる世界的な争奪戦に巻き込まれる」という事実が、テント最上位モニター間での共通認識であったのではないだろうか。そうなると、ベキもジャミーンと核融合の関係を知ったうえで行動していた可能性がある。上原内閣官房副長官(橋爪功)への襲撃も、単に一家を見捨てられた個人的な復讐ではなく、上原が核融合に関する技術で日本を売り渡すような裏切り行為をしていたなど、その先の目的があっての行動だったと考えるのは飛躍しすぎだろうか。

 エリシャとジャミーンの繋がりについては、父親であるアディエル(ツァスチヘル・ハタンゾリグ)、もしくはジャミーンの前で亡くなったとされる母親と血の繋がりがあったと考えられる。極論を言えば、ジャミーンはエリシャが作り出したクローンの子だったり、漫画『AKIRA』に登場するアキラのような超能力実験の被験者だったらどうだろう。さらに想像を広げると、「VIVANT」というのも「別班」という意味ではなく、そうした子どもたちや計画を指したもので、乃木も「VIVANT」計画の子だと考えれば、特殊能力を得ている理由にも繋がりそうだ。

 別の可能性として、AIハヤトが乃木の別人格Fの精神構造をベースに構築されたように、ジャミーンの頭の中の構造をベースに構築したAIを作ろうとしているという考えもできる。そうなると、柚木薫(二階堂ふみ)やバルカの看護師・イリア・サイハン(真凛)は世界医療機構の仕事とは別に、テントなのかエリシャ側の組織なのか、ジャミーンを守る極秘任務を遂行中だという想像もできる。

 次に、後半戦の別班奪還作戦はどうなるのか。実業家であるチョッキーがいきなり戦場での実戦となるとやはりどこかで足を引っ張る展開がありそうだが、たとえ別班奪還が成功しても、乃木は野崎とドラム(富栄ドラム)を救出するために1人居残りそうな気もする。問題は、今回の奪還作戦に、孤児院で育った特殊部隊Y2Kや、現在のテントを仕切るノコル(二宮和也)まで参戦することになる点だ。奪還成功の確率が低いこの計画で彼らが囚われる可能性は非常に高い。いや、これはテントの情報を知りたがっているシンシーがわざとおびき寄せたのではないか。手薄になったテント本拠地を直接侵略・制圧することこそが、シンシー、もしくは野崎のバックに付く別組織の真の狙いである可能性も否定できない。

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