『風、薫る』“りん”見上愛の心を動かす2人の男 井上祐貴&佐野晶哉が新たなキーパーソンに

NHK連続テレビ小説『風、薫る』第88話では、りん(見上愛)が2人の男によってまた自分の道を考え始める姿が描かれた。
1人目は新聞記者の横沢(井上祐貴)。りんが新潟にやってきたときに出会い、「あなたを気に入った」と一方的に迫られている。横沢は、生まれは信州だが、金持ち優遇の世の中に疑問を持ち、民権運動が盛んな新潟にやってきたように何事にも情熱的で、女子寮であるりんの職場に押しかけては、接点を持とうとする。

この日は茶屋でりんの生い立ちを聞いた様子の横沢。りんも横沢のグイグイくるところには引いてしまっているようだが、波長は合うようで、いつの間にか「看護とは」について熱く語っていた。
りんは、人生の節目で“運命の男性”に出会うが、おもしろいことにそれぞれタイプが異なる。幼なじみの虎太郎(小林虎之介)が優しくりんを守ってくれようとするタイプ、小説家志望のシマケン(佐野晶哉)がりんと同じ目線で背中を押してくれるタイプだとしたら、横沢はりんの熱い部分に共鳴して一緒にガンガンいこうとするタイプといったところだろうか。物静かでおしとやかな印象のりんだが、“これ!”と決めたらそこに向かって邁進するところがある。横沢はそんなりんの一面をアシストしてくれるのかもしれない。

だが、横沢の“熱い部分”は時として、悪い方向にはたらくこともある。2人がいた茶屋に突如、警官から逃げる男が乱入。どうやら近くで行われていた演説を聴いていたところ、警官に目をつけられ捕まりそうになっていたようだ。横沢は、男を助けるように警官に立ち塞がって事態を収めるが、後日、逮捕されてしまう。
女学校の望月校長(関智一)は横沢は反抗したことで「巡査に目ぇつけられて牢に入れられたんだがね」と言う。横沢から手紙で「会いにきてほしい」と言われたりんは「よそもんで子持ちのおなごなのに働いてる。普通とは違うんだすけ、目立たねえよう」と釘を刺されてしまう。新たな道を求めて新潟にやってきたりんは、だんだんと地方の田舎的な風習や「女性はこうあるべき」という“常識”に縛られはじめていた。

そんなときにいつも心を解いてくれるのが今回のキーパーソンとなる2人目の男・シマケンだ。りんに想いを寄せる彼は定期的に文を送ってくるものの、その内容は近況とも随想ともいえる不思議なもので、新潟の方言で「かわいい」という意味になる「いとしげ」という言葉をテーマにした直近の文には、さすがのりんも「えっ……結局、どういうこと?」と笑ってしまっていた。
しかし、りんはシマケンには素直に自分の心の内を話すことができる。横沢の騒動があった後には、しまけんへの文に「舎監らしく先生らしく教えることができず悩むこともあります」と“普通”にできない自分が“普通”を教えることができるのかと迷っていることを明かした。書き損じた紙をとんびにして飛ばすりんは、いつかにシマケンに教えてもらった“モヤモヤを晴らす方法”を実践しており、彼の存在が心の近くにあることを示している。
シマケン自身はそんなりんのことは知らないが「『りんさんらしく』いるのがずっと 『いとしげ』のように思います」と、離れていながらもりんに力をくれる言葉を送った。
シマケンに勇気づけられたりんは周囲の反対を押し切って監獄署にいる横沢に会いに行くことに。横沢は監獄まで会いにきたりんにわかりやすくテンションを上げ、最後には「結婚してください」と言ってきた。横沢は、茶屋で聞いたりんの人生を「元家老の娘が結婚に失敗して、東京に逃げて、看護婦になり、看護婦に挫折し、新潟へ」と双六のように綺麗にまとめ、「見事に人生の岐路に立つ度に真っ当な道を外れてきたんですね」と評した。さて、迷ったらなぜか茨の道を選んでしまうりんは、今回、どのような選択をするのだろうか。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK























