『ラストノート』『君の好きは無敵』 ”年下男性×大人女性”の恋愛ドラマが増加している背景

”年下男性×大人女性”ドラマが増える背景

 女性のライフスタイルが変われば、結婚相手や恋人に求める条件も変わる。かつては男性の経済力や豊富な人生経験に安心感を見い出し、それらを盾に守ってもらうことが恋愛や結婚における価値の一つだった。しかし、女性が経済的にも精神的にも自立した今、男性に守ってもらう必要性は薄れつつある。それを象徴するのが、『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)での一幕だ。向井くん(赤楚衛二)に「守ってあげたい」と言われた美和子(生田絵梨花)がすかさず「守るって何?」と問い返す。このセリフはSNSで多くの女性から共感の声が上がっていた。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第4話 10/28(火) 勝男よ 鮎美を救え!【TBS】

 代わりに条件に追加されたのが、「仕事への理解と協力」や「家事・育児の能力や積極的参加」。つまり現代女性の多くが求めているのは一方的に守られるのではなく、互いを尊重し、支え合える対等なパートナーであり、ここに年下男性が相手役に選ばれる理由があるように思う。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)で鮎美(夏帆)が大学から付き合っている勝男(竹内涼真)の家父長的な価値観に違和感を抱き別れた後、ジェンダー平等意識が高い年下のミナト(青木柚)に心奪われていたのが、非常に象徴的だ。ミナトのような若い世代は「男性/女性はこうあるべき」という固定観念に上の世代よりも批判的で、性別にとらわれない生き方を求める傾向にあるため、自立した大人の女性にとって魅力的なパートナーに映るのだろう。逆に言えば、『愛の、がっこう。』の愛実(木村文乃)とカヲル(ラウール)がそうだったように、大人女性ならではの包容力や寛容さに年下男性が救われることもある。そう考えると、“年下男性×大人女性”のラブストーリーは単なる流行ではなく、対等な恋愛関係を描こうとしたときに自然と辿り着く帰結なのかもしれない。

『ラストノート』©︎フジテレビ

 また、“年下男性×大人女性”という組み合わせは、幅広い世代の視聴者に開かれた設定でもある。自分自身も年齢を重ねるにつれ、若者同士の恋愛はどうしても遠い世界の出来事のように感じられ、以前ほど食指が動かなくなってきた。そういう意味でも、大人の女性が主人公だと自分自身を重ね合わせやすく、より身近な物語として楽しめるのでありがたい。多くの作品で、相手役に人気アイドルが起用されているのも興味深いポイントだ。若手俳優でもある彼らにとって、キャリアの長い女性俳優との共演は大きな刺激になるはず。“年下男性×大人女性”のラブストーリーは俳優の成長を後押しする役割も担っており、今後も絶えず生み出され続けるのではないだろうか。

■放送情報
木曜劇場『ラストノート』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:内田有紀、寺西拓人、坂井真紀、桜井日奈子、草川拓弥、徳井義実、佐々木蔵之介ほか
脚本:的場友見
演出:相沢秀幸、中前勇児
プロデュース:三竿玲子
主題歌:椎名林檎「裸」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/lastnote/
公式X(旧Twitter):https://x.com/lastnote_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/lastnote_fujitv/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@lastnote_fujitv

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる