『風、薫る』りんが新天地で笑顔を取り戻す 東京では直美×小川が“いい感じ”の関係に?

『風、薫る』りんが新天地で笑顔を取り戻す

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』の第78話では、いよいよりん(見上愛)の新潟での新生活が始まった。

 突然だが、りんは物理的に道に迷いやすい。梅岡看護婦養成所に入学するときも、引っ越して直美(上坂樹里)と生活し始めたときも道に迷って、誰かに聞いたり、直美に向かう先を決めてもらったりしていた。そんな彼女が見知らぬ土地に来て道に迷わないわけがない。田んぼばかりの一本道でも、街中でも、不安になったらすぐに道を聞いていた。りんは自分のことを「私は間違えるから」と言うことがあるが、道に迷いやすい性格はそんなところを表しているのかもしれない。だが、自分だけでなんとかしようとせず、積極的に誰かに助けを求めて解決するところがとてもりんらしいと言える。

 りんは新たに舎監として働く新潟高越女学校に到着。女学校の生徒たちはりんが「東京から来た」というだけで興味津々。校長の望月(関智一)も挨拶がてらりんを質問攻めにした。生徒たちが「これは長くなるね」と撤退したところを見ると、どうやら望月は癖の強いキャラクターのようだ。

 舎監は女学校の生徒たちと寝食をともにして勉強と生活をサポートするもの。りんはたまに英語を教えることもあるようだ。もともと誰かのことを気にかけるタイプのりんにはあっている仕事だろう。看護婦養成所時代には、りんも同じようにエイ(玄理)にお世話になっている。りんもそのことを思い出し、「看護婦養成所の頃を思い出します」と美津(水野美紀)への手紙へしたためていた。

 このところ「看護とはなにか」「看護を仕事とするということ」などりんは仕事に向き合いすぎていて、張り詰めたシーンも多かった。思い切って新潟にやってきたことで穏やかな暮らしを取り戻しつつある。どこか寂しげなようにも見えるのが心配だが、りんに明るい表情が戻ってきたのはとても嬉しい。

 東京でもそれぞれの“生活”が営まれていた。環(英茉)はりんから手紙をもらったことで、返事を書こうとしていた。「“お母さん、お元気ですか”……元気じゃなかったらどうしよう……」と母の状況を想像して心配しているところに環が成長していることを感じる。シマケン(佐野晶哉)はどんなことを書いたらいいかをアドバイスし、直美は文机を、美津は筆を用意し、環を手伝う。りんにも直接見せたいくらいの“家族”の形がそこにはあった。

 さらに、直美は第一印象はあまりよくなかったはずの小川(甲斐翔真)といい感じの雰囲気に。りんとも過ごした中庭で小川と楽しく会話をし、「あ、すみません、ベラベラと。小川さん、聞き上手だから……」とこれまであまり見せなかった素の表情を見せた。小川も「うれしいです。大家さんの話が聞けて」と言ったり、結婚の話を持ち出したり、好意をストレートに表現する。直美はこの手の話を避けるかと思いきや、団子屋で会おうと持ちかけていた。この2人の関係はこれから進展していきそうである。

 ゆったりとした“日常回”を楽しみたいところだが、りんは新潟の街中で出会った夫人・テツ(横澤夏子)に嫌味な物言いをされ、女学校の生徒たちも洋髪のことやナースの仕事についてを少し蔑んでいるような雰囲気を醸し出している。時折感じるこのピリッとした空気感がこれからのりんの生活にどのように影響してくるのか。一抹の不安がよぎる回でもあった。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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