小池栄子×北香那のバディが新鮮! 『さよならノワール』初回は重くも引き込まれる内容に

フジテレビ系ドラマ『さよならノワール』がスタートした。第1話で描かれたのは、西池袋署に設置された犯罪被害者支援室を舞台に、元“マル暴”刑事の夏海(小池栄子)と、帝都大学から出向してきた心理学者の絵梨子(北香那)が、ラーメン店火災事件の遺族となったさくら(北乃きい)と向き合う姿だ。
犯罪被害者支援室は、事件に巻き込まれた被害者や遺族に寄り添い、再び人生を歩めるように支える場所だ。室長の田村(戸田恵子)のもと、夏海は刑事時代の経験を生かしながら、相手の懐に踏み込んでいく支援員として働いている。そこへ、心理学の専門知識を持つ絵梨子が加わることに。初対面の食事の場面では、「なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」と尋ねる絵梨子に、夏海は「何でもいい」と返すだけ。第1話にしてかなり先行き不安な幕開けとなった。

そんな中、ラーメン店で火災が発生したという一報が入る。夏海と絵梨子が現場に向かうと、店主の悠介(柳下大)は死亡し、妻のさくらは激しいショックを受けていた。火災の原因は消毒用アルコールと見られていたが、悠介の体には外傷があり、事故と事件の両面で捜査が進められることになる。
火災現場でさくらのもとへ向かった夏海が最初にかけた言葉は、「そばにいていいですか?」だった。無理に事情を聞き出そうとするのではなく、まず隣にいていいかを尋ねる。相手の悲しみに勝手に入り込まない、けれど一人にはしない。夏海の支援員としての姿勢は、この一言に表れていた。

一方で、犯罪被害者支援室の存在はまだほとんど認知されていない。さくらが自分が疑われているのではないかと困惑するのも無理はない。夏海たちが素性を明かすことで、ようやくさくらの心は少しずつ開き始める。だが、そこで絵梨子の不用意な発言がさくらを刺激してしまう。もちろん絵梨子には悪意があるわけではない。心理学の知識も、相手にアプローチする技術も持っている。ただ、その言葉が今のさくらにどう届くのかまでは見えていないのが現時点での欠点だ。五十畑(岡部たかし)が後に指摘するように、絵梨子の言葉は相手を理解しようとするものでありながら、結果的に追い詰めてしまうことがある。知識があることと、目の前の人に寄り添えることは同じではないのだ。
刑事課では、強行犯係の鴨居(岡山天音)と中谷(味方良介)、暴力団対策係の河口(眞島秀和)、大野(濱尾ノリタカ)らが事件の捜査を進めていた。ところが捜査が進むにつれ、さくらが嘘の供述をしていたことが判明する。さらに5000万円の保険金の存在も浮上し、警察内部ではさくらの犯行を疑う声が強まっていく。悠介がさくらから暴力を受けていたこと、指定暴力団「祥仁會」との関わりを持っていたことも明らかになり、さくらは被害者遺族であると同時に、事件の容疑者としても見られるようになっていく。

その後、身を投げようとしていたさくらが目撃される。再び事情聴取を受け、「自分が悠介を殺した」と口にしたとき、夏海はその言葉をそのまま自白として扱わなかった。さくらが限界まで追い詰められていることを見抜き、聴取を打ち切ろうとする。今のさくらに必要なのは、真相を暴くための追及ではなく、まず崩れそうな心を支えることだと分かっているからだ。

さくらが抱えていたのは、悠介を殺したという罪ではなく、悠介を追い詰めてしまったのではないかという自責の念だった。自分の言葉が悠介を死に向かわせたのではないか。その思い込みが、さくら自身も追い詰めることになっていた。そんなさくらに、絵梨子は彼女が捨てようとしていた指輪を差し出す。それは、他の女性へのプレゼントではなく、悠介がさくらのために買ったものだった。その事実を知ったことで、さくらは自分が抱え込んでいた罪悪感だけでなく、悠介との時間そのものに少しずつ向き合えるようになっていく。
「無条件で味方でいたい」という夏海の言葉は、決してきれいごとではない。嘘をついても、疑われても、間違えても、その人のすべてを正しいと肯定するわけではない。それでも、最も孤独な瞬間に隣に立つことはできる。『さよならノワール』第1話は、事件の暗闇を追いながら、真実より先に守らなければならない心があることを描いた。夏海と絵梨子。正反対の2人が、被害者支援という答えのない仕事の中でどのように変わっていくのか。その始まりとして、重くも引き込まれる初回となった。
■放送情報
『さよならノワール』
フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜21:54放送
出演:小池栄子、北香那、岡山天音、荒川良々、味方良介、濱尾ノリタカ、利重剛、眞島秀和、岡部たかし、浅野和之、戸田恵子、渡部篤郎 他
脚本:井上由美子
演出:河毛俊作、清矢明子、柳沢凌介
音楽:菊地成孔
主題歌:chilldspot「ドラマ」(RECA Records)
衣装:伊賀大介
心理監修:石橋昭良(臨床心理士/非行臨床研究所)
警察監修:石坂隆昌(ユヌ・ファクトリー)
プロデュース:狩野雄太(スタジオ戦略本部 第1スタジオ ドラマ・映画制作センター)
制作プロデューサー:清家優輝、岸川正史(ファインエンターテイメント)
制作協力:ファインエンターテイメント
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sayonaranoir-cx/
公式X(旧Twitter):https://x.com/sayonaranoir_cx





















