『GIFT』は車いすラグビーの“面白さ”を描けたのか? 王道路線に感じたジレンマと希望

『GIFT』車いすラグビー描写の功罪

 堤真一主演のTBS日曜劇場『GIFT』がついに最終回を迎えた。日曜劇場の伝統ともいえる熱い「スポーツもの」の枠組みでありながら、車いすラグビーと宇宙物理学を融合させようとした非常に挑戦的な作品だった。

 その一方で、SNSの反響を見ると、その結末にはかなり賛否の声が入り交じっている。多すぎるサイドストーリー、強引な展開、未回収の伏線、そして涼(山田裕貴)の死。役者陣の熱演や、ド迫力の車いすラグビーの試合シーンなど、たしかな見どころはあったものの、正直なところ手放しで「大傑作だった」と絶賛するには、惜しい部分が目立つ作品だったことは否めない。

 今回は、ドラマ全体の総括というよりも、本作が最大の武器としていた「車いすラグビー」という題材をどう描いていたのか、という点に絞って考えてみたい。

 まず本作の大きな特徴であり、同時に視聴者に少なからずギャップを生んだのが、「主人公が選手ではない」という構造だ。主人公は車いすラグビーチーム・ブレイズブルズのエース・涼ではなく、車いすラグビー未経験の宇宙物理学者・伍鉄文人(堤真一)。物語のテーマは、「孤独に生きてきた男が、いかにして他者と向き合い、家族を知り、車いすラグビーという難解な問題を解き明かすのか」というものだった。

 第1話から第2話にかけて、伍鉄という異物が未知のスポーツと出会い、彼を中心にして落ちこぼれチームに革命が起きていくプロセスは非常にワクワクさせられた。「チームにいる様々な個性(星)が集まり、ひとつの宇宙を形成する」という宇宙物理学との掛け合わせも、見事に機能していたと思う。

 だが、中盤以降、そのバランスが崩れ始める。涼、圭二郎(本田響矢)、人香(有村架純)らそれぞれの群像劇にフォーカスしていったことに加え、トリッキーな広江(山口智子)や昊(玉森裕太)が絡む複雑な家族の物語が展開されたからだ。良くも悪くも、本来の軸であったはずの伍鉄のドラマが、まるでサイドストーリーであるかのように脇に追いやられてしまったのである。

 走り出しこそ伍鉄の再生の物語だったはずが、他のメインキャラクターの事情を次々と展開していくにつれ、結果的に「伍鉄側の話に感情移入できない」視聴者が生まれていった感は否めない。

 しかし、それらの構成上の難点以上に、私がどうしても感じてしまった最大の疑問がある。それは、「本作は本当に“車いすラグビーの面白さ”を描けていたのだろうか?」ということだ。

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