『サバ缶、宇宙へ行く』が描く“その時点での到達点” 北村匠海と神木隆之介がついに対面

宮井(早瀬憩)と早川(中川翼)、桑田(足川結珠)の3人が宇宙食開発を引き継ぐ“2期生”として活動を始めたのも束の間、若狭水産高校に廃校の危機が訪れる。よくよく考えてみれば、第1話で朝野(北村匠海)が着任した時に黒瀬(荒川良々)から真っ先に言われたのは「ここ、もうつぶれるで」だった。それが2005年の出来事で、今回はもう2010年。5年の月日が流れ、とうとうその時が本格的に近付いてきたというわけだ。

5月11日に放送された『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)は第5話。今回のエピソードは、廃校危機をひとつの軸とした2日間の物語を主に描き、そこから“2期生”の卒業まで一気に駆け抜けていく。JAXAの木島が「宇宙キャラメル」の試作品を手に小浜の町へとやってきた頃、入れ違いになるようにつくばにあるJAXAへと向かっていた朝野。皆川(ソニン)の計らいで木島の上司である東口(鈴木浩介)と対面した朝野は、現状の「宇宙キャラメル」について、安全性や供給体制、そして継続性という大きな課題があることを指摘されるのである。

いわずもがな供給体制と継続性という点は、生産工場である水産高校の廃校危機と密接にかかわるところである。廃校が決まれば、すでに2世代にわたって繋がれている生徒たちの夢が自ずと途絶えてしまう。宮井たち現役の生徒や、卒業生である寺尾(黒崎煌代)らは廃校反対の署名活動に奔走し、地元の漁師や大人たちは悔しさをにじませながら廃校への反対を表明。前回までは生徒たちが宇宙食開発に明け暮れながら夢を追う、ある意味“ソフト面”が描かれてきたが、今回は彼らの活動の場である学校の存続という“ハード面”に重きが置かれるわけだ。

そのためストーリー上としては、中盤で描かれる再編計画説明会が“見せ場”としての役割を担うことになる。しかしその場においても、その後のシーンにおいても廃校をめぐる“答え”は提示されない。ここで思い浮かぶのは、JAXAの施設内の掲示板の前で朝野が皆川から説明される言葉――「宇宙の研究は完成することがない。だからここは、正解を並べる場所じゃなくて、その時点での到達点を置いていく場所」。廃校になるのかならないのか、その正解がわからないなかで、夢を追い続けるか諦めるかの選択をすることこそ、この物語における“その時点での到達点”というわけだ。当然のように、選ばれるのは前者である。

また同時に、宇宙を目指す生徒たちの夢や、町の人々の想い。宇宙のように広がりつづけ終わることはないそれらを描くこの物語にとってみれば、廃校の危機も限られた時間のなかでできることも、いつか来る大願成就の瞬間でさえも、すべてが“正解”ではなく“その時点での到達点”であるということが示されているともいえる。もちろんこれは、生徒ひとりひとりの青春模様にも当てはまる。3人の関係性を壊さないために、宮井への告白をしない選択をする早川。それもまた、彼にとっての青春の“その時点での到達点”というやつだ。

終盤、宮井たちに「宇宙キャラメル」の査定結果を伝えた木島は、朝野と対面を果たす(ニアミスやオンライン通話はあったが、実際に顔を合わせるのはこれが初めてだ)。この対話のなかで木島は、このドラマ全体のテーマともいえる3つの台詞を口にするのである。「宇宙はすぐに届きません。でも、だからこそ挑戦する価値がある」「選択肢が広がる分だけ、可能性も広がります」「生きるってことは、楽しむを配るっていうこと」。これらを携え、次回から“第3期”へと突入していく。
■放送情報
『サバ缶、宇宙へ行く』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:北村匠海、出口夏希、黒崎煌代、八嶋智人、三宅弘城、村川絵梨、佐戸井けん太、熊切あさ美、吉本実由、ソニン、迫田孝也、鈴木浩介、荒川良々、神木隆之介、井上芳雄(語り)ほか
原案:『さばの缶づめ、宇宙へいく』(小坂康之、林公代/イースト・プレス)
脚本:徳永友一
音楽:眞鍋昭大
主題歌:Vaundy『イデアが溢れて眠れない』(SDR/Sony Music Entertainment)
演出:鈴木雅之、西岡和宏、髙橋洋人
プロデュース:石井浩二
プロデューサー:野田悠介、中沢晋
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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