玄理、『風、薫る』では“妖しさ”を封印へ 通訳・松井エイ役抜擢も納得の才色兼備役者

NHK連続テレビ小説『風、薫る』は第5週「集いし者たち」から看護学校編がスタート。りん(見上愛)や直美(上坂樹里)以外にも新顔のキャラクターたちが次々と登場する中、ちょっと芋っぽい女子学生たちとは一線を画した凛とした穏やかさと華を感じさせたのが通訳兼、寮の舎監として看護学校の生徒たちを見守る松井エイだ。

看護婦養成所は女学校の裏手にあって、急ごしらえで作られた様子。初日は授業もなくまだ何かと準備が整っていなさそうだ。エイも挨拶を終えた女学校の校長から、生徒たちを押し付けられたような形となり、戸惑いつつも敷地内を案内し、寮の簡単なルールを説明。そして逃げるように女学校へ戻ってしまった。エイが個性の強そうな生徒たちと関わっていくのは先になりそうである。
エイを演じるのは、朝ドラへは『まんぷく』(2018年度後期)以来、2度目の出演となる玄理。日本で生まれ育った玄理は、中学校のときにオックスフォード大学サマースクールへ短期留学してから英語を独学で学び続け、大学時代には韓国・延世大学校へ留学して映像演技を専攻。日本語、英語、韓国語の3カ国語を話すトリリンガルの才女である。本作では、西洋式の看護術を学ぶにあたり、英語がひとつのキーポイントとなっているが、直美に続いて流暢な英語を話すエイの姿も見どころのひとつとなるだろう。
2010年頃から俳優として活動し始めた玄理は、近年では『殺し屋たちの店』シーズン2(ディズニープラス)など自身のルーツでもある韓国のドラマを含めた、さまざまな作品に出演。まさに、国を超えた活躍を見せている。
得意としているのは、頭の回転が早いが親しみやすい雰囲気をもった知的な女性。『まんぷく』では、池田信用組合の理事長となった萬平(長谷川博己)の秘書を務めた望月綾役を務めた。綾は慣れない仕事をこなそうとする萬平を支え、見守っていくのだが、綾のあまりの美しさにSNSでは、萬平やハンサムな真一(大谷亮平)とひょんなことから恋仲になってしまうのではないかと心配する声も見られた。
そんな美しすぎるがゆえの“妖しさ”を活かしていたのが、『アトムの童』(2022年/TBS系)で演じたビジネスウーマン・相良晶。相良はゲーム販売やインディー開発者の手助けをする役割を担っており、あるオンラインゲームを大ヒットさせた素性不明のゲーム開発者「ジョン・ドゥ」を大手の会社・SAGASへ売り込んだ実績がある。しかし、ジョン・ドゥの名義で活動していた那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)はこれをきっかけに決別。相良は那由他がアトム玩具で開発を始めると資金調達をサポートするようになるが、一方でアトム玩具を買収しようと目論むSAGASの社長・興津(オダギリジョー)とも通じていた。スパイのような相良の動きは、ただただ好きな仕事に情熱を傾ける那由他や隼人を陥れることになるのではないか、と視聴者をハラハラさせた。

『風、薫る』のエイは、りんや直美たちと関わっていくことになるが、看護の知識はゼロ。“看護師候補生”たちを前にし、どことなくギクシャクしていたエイを見ると、もしかしたら無意識に看護の仕事に対していいイメージを持っていないのかもしれない。エイはこれから自身の中で生まれる葛藤を抱えつつ、多くの壁にぶつかるりんたちを支えていくことになるだろう。これまで演じてきた知的さとはまた違う、このエイの心の揺れ動きを玄理がどのように演じるのかに注目したい。
■放送情報
2026年度前期 連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から土曜8:00~8:15放送 ※土曜は一週間を振り返り ※NHK ONEで同時・見逃し配信あり
NHK BS・BSプレミアム4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送
出演:見上愛、上坂樹里ほか
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
音楽:野見祐二
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り:研ナオコ
制作統括:松園武大、宮本えり子
プロデューサー:葛西勇也、松田恭典
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか
写真提供=NHK
























