第78回カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ 『ユースフル・ゴースト』7月10日公開決定

第78回カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞したタイ映画『A Useful Ghost(英題)』が、『ユースフル・ゴースト』の邦題で7月10日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開されることが決定。あわせて特報映像とティザービジュアルが公開された。
本作は、ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督の長編デビュー作。カンヌ国際映画祭批評家週間にタイ映画として初めて選出されグランプリを獲得したほか、第98回アカデミー賞国際長編映画賞のタイ代表としてショートリスト入りも果たしている。
タイで広く知られる怪談「メー・ナーク・プラカノーン」に着想を得た物語で、舞台は粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻ナットを呼吸器疾患で亡くしたマーチは悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、ナットの魂は掃除機に宿るかたちで舞い戻り、ふたたび愛を確かめ合う2人。その頃、マーチの家族が経営する工場では、死亡した従業員の霊が機械に取り憑き、操業停止に追い込まれていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、工場の除霊に協力することで、夫への真実の愛そして自らの存在を“役に立つ幽霊”だと証明しようとするが……。
ナット役を演じるのは、『愛しのゴースト』のダビカ・ホーン。夫マーチ役には、ドラマ『運命のふたり』のウィサルット・ヒンマラットが起用された。さらに、『デュー あの時の君とボク』『ハッピー・オールド・イヤー』のアパシリ・ニティポンらが共演に名を連ねている。
監督・脚本を手がけたラッチャプーム・ブンバンチャーチョークは、1987年バンコク生まれ。チュラーロンコーン大学映画学科を卒業後、商業映画やテレビシリーズの脚本家として活躍するほか、大学で映画理論や脚本術を教え、映画批評家としても活動している。2020年にはベルリナーレ・タレントプログラムに参加。短編映画『赤いアニンシー;あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』が2020年ロカルノ国際映画祭の国際コンペティションでジュニア審査員賞を受賞している。
公開された特報映像では、最愛の人を失い魂の抜けたようなマーチ(ウィサルット・ヒンマラット)と、掃除機の姿を借りて現世に舞い戻ったナット(ダビカ・ホーン)、そしてその異様な光景を見守る家族の姿が切り取られている。
ティザービジュアルでは、薄暗い部屋の片隅でランプを点した掃除機のカットが大胆に配されている。本デザインは、実際に掃除機を作った経験を持つインダストリアルデザイナーのシン・ハオチーが手がけたもの。ラッチャプーム監督の「実用性とバカバカしさを混ぜて」というリクエストに応え、前かがみにお辞儀しているような形状で友好的な霊であることを表現している。
ラッチャプーム監督はカンヌ批評家週間グランプリ受賞時のスピーチで「(この作品と賞を)役に立つ幽霊もそうでない幽霊も含めて、タイにいるすべての幽霊に捧げたい」とコメント。タイ語の“ホコリ”(埃)という言葉には、空中に漂う小さな粒子という意味のほかに、現代のスラングでは人間以下の扱いをされる者という意味もあるという。ラッチャプーム監督は「声を上げられず、自分の人生を自分で決められない、支配者階級の意のままに動かされ簡単に消されてしまう人々のことです」と述べたうえで、「霊もホコリも厄介者で、本来いるべきではない場所と時間に現れるという点でよく似ています」「こうした意味で掃除機に取り憑いた幽霊というのはアイロニックな存在だと考えています」などと語っている。
■公開情報
『ユースフル・ゴースト』
7月10日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
出演:ダビカ・ホーン、ウィサルット・ヒンマラット、アパシリ・ニティポン、ワンロップ・ルンカムチャット、ウィサルット・ホームファン
監督・脚本:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク
配給:SUNDAE(Powered by Filmarks)
2025/タイ語、英語、イサーン語/タイ、フランス、シンガポール、ドイツ/130分/英題:A Useful Ghost/字幕翻訳:橋本裕充
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