三浦貴大が『風、薫る』に与えるアクセント 『国宝』に通じる“現実を突きつける”存在に?

三浦貴大が『風、薫る』に与えるアクセント

 三浦がキーパーソンを担った作品といえば、やはり多くの人が『国宝』(2025年)を挙げるだろう。芸道に人生を捧げるふたりの男の生涯を描いた本作において、彼は歌舞伎の興行を手がける企業の社員・竹野を好演した。血筋が物を言う歌舞伎の世界に対して、冷たく厳しい態度を取るキャラクターだ。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

 私たち観客は、喜久雄(吉沢亮)と俊介(横浜流星)の出会いの場に立ち会い、切磋琢磨しながら歌舞伎役者としての階段を駆け上がるさまを見守ってきた。そんな我々に冷や水を浴びせたのが、三浦が演じる竹野というキャラクターである。彼の言動は極めて冷静な視点から生まれたもので、もともと血の気の多い喜久雄は激昂するが、言葉で攻撃してやろうなどといった気持ちはなかったはず。夢見心地だった我々に、ただただ現実を差し出したのだ。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

 あれこそまさに、作品の世界に刺激を与える役どころだっただろう。竹野が口にするセリフだけが喜久雄を怒らせたのではない。三浦が浮かべるうんざりした表情や漏れ出る吐息が、歌舞伎の血統を持たぬ喜久雄の前に立ちはだかる“現実”の手触りを、出現させてみせたのだ。

 しかし、映画を観た方々がご存知の通り、喜久雄はこの現実を変えてみせる。そしてこの変わりゆく現実の手触りによって、かつて後ろ向きな発言をした竹野のリアクションも変わっていく。これも『国宝』が描く重要なエピソードのひとつだろう。

『風、薫る』写真提供=NHK

 さて、ここで『風、薫る』に話を戻そう。本作で三浦が演じる亀吉もまた、主人公に、りんに厳しい現実を突きつけるキャラクターになるのではないだろうか。ドラマ序盤の重要なエピソードが繰り広げられることになりそうである。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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