多部未華子はなぜ“クセのある役”が似合うのか 『風、薫る』で挑む一味違う歴史的偉人

NHK連続テレビ小説『風、薫る』(2026年度前期)が、爽やかにはじまった。明治という激動の時代に、「トレインドナース」となる2人の女性の物語。見上愛と上坂樹里がダブル主演を務めるこの作品に、多部未華子が出演する。朝ドラへの出主演は、2009年度前期放送『つばさ』で主演を務めて以来、約17年ぶりのことだ。

多部が演じるのは、「鹿鳴館の花」と呼ばれた貴婦人・大山捨松。歴史上の人物でもあり、主人公2人の人生に多大な影響を及ぼすという役どころ。会津藩家老・山川重固の末娘であり、戊辰戦争では幼いながら若松城に立てこもり、危険な任務に従事したという(NHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)でも描かれていた)。1871年に、岩倉使節団とともに11歳でアメリカに渡り、11年間の留学を経て帰国。西郷隆盛の従兄弟である陸軍大臣・大山巌の妻となり、その英語力と知性で「鹿鳴館の花」と呼ばれるようになった。その後、看護学校を作ったり、女子教育の充実を図ったりと、日本女性の社会進出を後押ししたという人物だ。(※1)
そんな聡明で華麗なイメージの役を、多部が演じることには安心感がある。一方で、やはり何か一味違うのではないかという期待もしてしまう。というのも、多部は一筋縄ではいかないクセのある役が多く、この「鹿鳴館の花」をどんな味付けで演じてくれるのか、予想がつかない面もあるからだ。
多部未華子、朝ドラは「出演して当然」 初ヒロイン作『つばさ』と『ばけばけ』に共通点?
2026年度前期の朝ドラ(NHK連続テレビ小説)『風、薫る』に、多部未華子が出演することが発表された。多部といえば、同じく朝ドラ…多部は10代の頃から映画やドラマなどで活動してきたが、民放連続ドラマへの初出演は、2007年『山田太郎ものがたり』(TBS系)で、嵐の二宮和也、櫻井翔と共演した。当時は、まさに清純派で、素朴なかわいらしさが話題となった。2009年に、NHK連続テレビ小説『つばさ』の主役オーディションで1593人の中から選ばれ、埼玉県の和菓子屋の娘で「ハタチのおかん」と呼ばれるような主人公・玉木つばさを演じた。この作品は、いわゆる王道の朝ドラとは少し趣が違っていて、ドラマ評論家の成馬零一氏は、「個性が強いため観る人を選ぶ作風でした。そのため賛否は別れましたが、熱狂的に支持していた視聴者も実は多かった隠れた傑作で、斬新な表現が多かった」(※2)と話している。ドタバタコメディのような演出に賛否があったが、多部はこの演技を含め、2010年のエランドール新人賞を受賞している。その後は、コメディにもシリアスなドラマにも、等しく力を発揮できる稀有な俳優として、確固たる地位を築いていった。





















