『葬送のフリーレン』OPとEDは“繋がっている”? 花びらと青い炎に隠された意味を考察

『葬送のフリーレン』OPとEDを徹底考察

 一方で、より直接的に“残り続ける思い”を照らしているのが、EDに描かれるランプの青い炎である。第2期のEDは、ヒンメルが日記を書いているような描写から始まり、その羽ペンの青が青い炎へと姿を変え、フリーレンの手元のランプに宿る。一般に青い炎は赤い炎より高温であることから、見た目の穏やかさに反して強い熱を秘めているとも読める演出だ。そう考えると、この青は静かな追憶の色であると同時に、時間が経っても失われないヒンメルの思いの強さを示す色としても読める。

『葬送のフリーレン』第2期ノンクレジットエンディング映像/EDテーマ:「The Story of Us」milet/フリーレンED

 歌詞もその読みを後押ししている。たとえば「The Story of Us」には、「あなたを守れますように」「Holy brave」「Holy trace」といった言葉が置かれている。守りたいと願う視線、進むための勇気、そして振り返った先に残る痕跡。こうした言葉が並ぶことで、この曲はヒンメルの内面だけでなく、彼の不在がなおフリーレンの背中を押し続けていることまで含んだ歌として響いてくる。ランプの中の青い炎は、その“痕跡”が消えていないことを示す灯りなのだろう。

 2曲を並べてみると効いてくるのが、OPとEDに共通する“手”の感覚だ。OPでは、フリーレンの手が花びらを受け止める。そこにあるのは、渡されたものを抱えて進む手である。一方、EDは、ヒンメルが日記を書いているような描写から始まる。こちらにあるのは、記憶や思いを残していく手だ。進む者の手と、残す者の手。第2期の主題歌映像は、両者を並べることで、『葬送のフリーレン』という物語そのものを言い換えているようにも見える。記憶とは、過去に閉じ込めておくものではなく、誰かから誰かへ手渡され、形を変えながら現在を動かし続けるものなのだと。

 なお、EDのアニメ盤ジャケットでは、風に乗って流れる色づいた花びらの中、歩き出したフリーレンが振り返り、その先にヒンメルの姿が描かれている。EDのためのビジュアルでありながら、この花びらはOPで印象的に用いられていたモチーフとも響き合っており、両者をまたぐイメージの連続性を感じさせるのではないだろうか。主題歌映像を通して読み取れる印象が、公式ビジュアルによってあらためて補強されているようにも見える。

 前へ進むことと、振り返ること。その両方がそろって初めて、『葬送のフリーレン』の旅は成立する。第2期の主題歌映像が繰り返し描いているのは、失われたものがただ消えていくのではなく、別の形で旅に同行し続けるという、この作品の時間感覚そのものなのだ。

参照
https://realsound.jp/movie/2026/01/post-2279788.html

■放送情報
TVアニメ『葬送のフリーレン』第2期
日本テレビ系“FRIDAY ANIME NIGHT”にて、毎週金曜23:00~放送
キャスト:種﨑敦美(フリーレン役)、市ノ瀬加那(フェルン役)、小林千晃(シュタルク役)、岡本信彦(ヒンメル役)、東地宏樹(ハイター役)、上田燿司(アイゼン役)
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:北川朋哉
副監督:原科大樹
監督協力:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン:高瀬丸、小嶋慶祐、藤中友里
コンセプトアート:吉岡誠子
デザインワークス:小橋弘侑、原野瑠奈、瀬口泉、原科大樹
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
オープニングテーマ:「lulu.」Mrs. GREEN APPLE
エンディングテーマ:「The Story of Us」milet
アニメーション制作:マッドハウス
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
公式サイト:https://frieren-anime.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/Anime_Frieren
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@anime_frieren

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