北川景子、『ばけばけ』「ママさん」のシーンは「傳(堤真一)がいたらどんなによかったか」

北川景子、ここまでの『ばけばけ』を振り返る

 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』に出演中の北川景子のインタビューコメントが公開された。

 朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした物語。外国人の夫、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の姿が描かれる。主人公・松野トキを連続テレビ小説初出演となる髙石あかり、トキの夫レフカダ・ヘブン役をトミー・バストウが演じる。

 北川が演じるのは、没落した名家出身の雨清水タエ。トキ(髙石あかり)を産んだ母でもある。第14週(第70話)で描かれたトキとヘブンの結婚の挨拶パーティーについて、北川は「トキが嘘をついているとヘブンさんがわめき散らした時は、なぜ突然やってきた外国の人にそんなことを言われなくてはならないのか、少し釈然としない気持ちに」とタエの心境を代弁。「兎にも角にも応援するしかないと思っていた」ものの、最終的には「バンっと不満を爆発させてみんながひとつになるきっかけを作ったヘブンという得体の知れない異人のことを、面白い男だと思えたのではないでしょうか」と、ヘブンへの印象の変化を語った。

 また、息子・三之丞(板垣李光人)との関係についても言及。「今はまだ嘘を暴かず、息子に成長する時間と猶予を与えたいと考えていたと思います。それなのにパーティーで三之丞から恥さらしのひどい息子だと聞いた時は、こんな言葉を言わせてしまったと非常に胸が締め付けられる思いでした」と親心を吐露し、「みんなの前で言わせてしまいましたが、それまでタエと三之丞の間にあった大きな溝が埋められて本当に良かったです」とコメント。

 トキの育ての母・フミ(池脇千鶴)との関係性については、「今まで育ての親としての立場をはっきりさせたがっていたフミさんが、トキのためにもどちらも親ということでいいんじゃないかと言ってくれたおかげで、タエも一つ解放されたと思います」と心情の変化を説明。「フミさんにありがとうと伝えられ、タエとフミの雪解けが見られるシーンになったと思います」と振り返った。

 トキから「ママさん」と呼ばれたシーンについては、「タエにとって『ママ』は初めて聞く言葉。横文字なので、娘が外国の人と結婚するという事実を突きつけられたような非常に複雑な気持ちになりました」としつつも、「ヘブンがあの場で分かったので、横文字で『ママさん』と呼ばれるのも悪くないと思えたのではないでしょうか」と語る。「タエとしてはここに夫の傳(堤真一)がいたらどんなによかったかと思いました。いつかトキと本当の親子として振る舞える日を夢見ていた傳。ここにいたら『パパさん』と言われていたのではないでしょうか」と振り返った。

北川景子(雨清水タエ役)コメント

結婚の挨拶パーティー(第70回)でヘブンに会ったタエの気持ち

トキがうそをついているとヘブンさんがわめき散らした時は、なぜ突然やってきた外国の人にそんなことを言われなくてはならないのか、少し釈然としない気持ちに。みんながそろっている場でトキを激昂させなくてもいいのではないかと少し可哀想に思いましたし、こんな風に泣かせる男性が本当にトキを幸せにできるのか半信半疑でした。けれども、松野のご両親は結婚を認めていて、トキ自身も彼と幸せになりたがっているわけですから祝福するのが筋。兎にも角にも応援するしかないと思っていたんです。
そして最終的には、バンっと不満を爆発させてみんながひとつになるきっかけを作ったヘブンという得体の知れない異人のことを、面白い男だと思えたのではないでしょうか。いろんなことが一度に起きた目まぐるしいシーンでした。

結婚の挨拶パーティーでの三之丞への思い

「人に使われるのではなく、人を使う人間になりなさい」とは以前に三之丞にかけた言葉だと思いますが、タエ自身はそういう古い凝り固まった考え方をとっくに捨てています。“雨清水タエ”は一度死んだつもりで物乞いまでして息子を生かしてきたのに、自分の一言がここまで彼の中に残り続け、追い詰めていたのかと責任を感じました。
タエとしては今も昔も一貫して息子を大事にしているつもりなんです。没落前は三男だから家を継ぐプレッシャーを背負わずに自由に生きてくれればいいと思っていましたし、没落後は自分が父親代わりも務めて大事な息子を何とか生かしてきました。三之丞のうそを承知の上で指摘しなかったのも、彼のプライドを傷つけたら立ち上がることができない人間になってしまうと思っていたから。今はまだうそを暴かず、息子に成長する時間と猶予を与えたいと考えていたと思います。それなのにパーティーで三之丞から恥さらしのひどい息子だと聞いた時は、こんな言葉を言わせてしまったと非常に胸が締め付けられる思いでした。みんなの前で言わせてしまいましたが、それまでタエと三之丞の間にあった大きな溝が埋められて本当に良かったです。

フミさんとの関係の変化

タエは基本的なスタンスとして、自分も母親だと主張するのは司之介さんとフミさんに非常に失礼なことで、トキは松野家に出したと娘だと割り切らなくてはいけないと考えてきました。ただ、トキは育ての親と産みの親の間でずっとしんどい思いをしてきたでしょうね。今まで育ての親としての立場をはっきりさせたがっていたフミさんが、トキのためにもどちらも親ということでいいんじゃないかと言ってくれたおかげで、タエも一つ解放されたと思います。
これまではトキと一緒に料理をしていても笑みがこぼれてはいけないと自分を律してきたけれども、娘がかわいくてうれしいとか一緒にいて楽しいといった素直な感情まで押し込める必要はなくなりました。フミさんにありがとうと伝えられ、タエとフミの雪解けが見られるシーンになったと思います。

トキにママさんと呼ばれたタエの思い

タエにとって「ママ」は初めて聞く言葉。横文字なので、娘が外国の人と結婚するという事実を突きつけられたような非常に複雑な気持ちになりました。けれど、トキがうそをついたり家族の事情を抱え込んでいたことに気づいて、真っ向から受け止めてくれたのは異人であるヘブン。それがあの場で分かったので、横文字で「ママさん」と呼ばれるのも悪くないと思えたのではないでしょうか。タエは武家の人間ですが、短い時間で自分の中で折り合いをつけ、こんな家族があってもいいと納得できる柔軟さも持っているのだと思います。おフミさんがいるのに「母上」と呼ばれるのも少し違う気がしますから、「ママさん」がちょうどいいのかもしれませんね。
言葉は「ママさん」でも、トキにとってはきっと「母上」と言えたのと同じ。長年言いたかった言葉をお母さん(フミ)の顔色を気にせず堂々と言えた、すごくすっきりしたシーンだったと思います。タエとしてはここに夫の傳(堤真一)がいたらどんなによかったかと思いました。いつかトキと本当の親子として振る舞える日を夢見ていた傳。ここにいたら「パパさん」と言われていたのではないでしょうか。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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