自害アウラはなぜ愛され続けるのか? 『葬送のフリーレン』第2期直前に名シーンをおさらい

『フリーレン』アウラはなぜ愛され続けるのか

 また、魔族としてのプライドの高さとそれが粉々に砕け散る場面との落差もアウラの大きな魅力と言えるだろう。

 前提として説明しておくと、アウラのプライドはたんなる驕りではなく、たしかな実力に裏打ちされている。というのも500年という生涯のほとんどの時間を、魔力の鍛錬に費やしてきたという自負があるためだ。

 作中の説明によると、各人が持つ魔力の量は鍛錬を積み重ねた年月に比例して増えていくそうなので、アウラのそれは規格外の領域に到達していたはず。実際にその魔法を目の当たりにしたフリーレンは、「人類の魔法技術では想像もつかないほどの高み」と感嘆していた。

 しかしそんな実力に裏打ちされた自信こそが、アウラの敗北を決定付けることになる。長命種のフリーレンはアウラを上回る1000年もの時間を魔力の丹念に費やしてきた上、そのことが露見しないようにつねに魔力の量を偽装しながら生きている。いわば“魔族の天敵”と言える存在だ。

 そんな事実など一切知らないアウラは、「私は500年以上生きた大魔族だ」と自信満々に啖呵をきるが、フリーレンに「お前の前にいるのは、1000年以上生きた魔法使いだ」と返されてしまう。その言葉を聞いたときのあっけにとられた表情は、敵ながら実に切ない。

 そして「服従の天秤」の魔力比べに勝利したフリーレンは、「アウラ、自害しろ」と冷酷に命じ、アウラは現実を受け入れられないままに自ら斬首するのだった。最期に悔しさに歪んだ表情を見せるところも含めて、作中屈指の名シーンとなっており、その後ネットミームとして定着したことも頷ける。

 この場面が多くの人に衝撃を与えた背景としては、アウラの“負け顔”が見事だったことも関係しているだろう。傲慢そうな態度から一転、呆然とした顔や泣き顔に切り替わっていく様子はあまりにインパクトが強い。

 とくにアニメ版では『けいおん!』の中野梓や『五等分の花嫁』の中野二乃役などで知られる人気声優の竹達彩奈がアウラの声を当てており、“かわいそうでかわいい”キャラクター付けに一躍買っていた。しかも原作では髪を巻き込まないように剣を首に当てていたアウラが、アニメ版では髪ごと首を両断しており、より屈辱感が漂うシーンへと変わっている。

 アニメ放送期間中に実施された「第2回キャラクター人気投票」で、アウラが全登場人物のうち2位に輝いたという驚きの事実も、それだけアニメの出来がよかったことを意味しているのではないだろうか。

 『葬送のフリーレン』第2期は、1月16日より放送される予定。アウラに匹敵するほどの人気キャラクターが誕生するかどうか、ぜひリアルタイムで見守ってほしい。

■放送情報
『「葬送のフリーレン」2期スタート直前!1期ピックアップ放送』
日本テレビ系にて放送
1月12日(月)26:59~28:29
#9 断頭台のアウラ
#10 強い魔法使い
#11 北側諸国の冬

1月13日(火)26:34~28:29
#18 一級魔法使い選抜試験
#19 入念な計画
#20 必要な殺し
#21 魔法の世界

1月14日(水)26:29~28:29
#23 迷宮攻略
#24 完璧な複製体
#25 致命的な隙
#26 魔法の高み

1月15日(木)27:29~28:29
#27 人間の時代
#28 また会ったときに恥ずかしいからね

TVアニメ『葬送のフリーレン』第2期
日本テレビ系“FRIDAY ANIME NIGHT”にて、1月16日(金)スタート 毎週金曜23:00~放送
キャスト:種﨑敦美(フリーレン役)、市ノ瀬加那(フェルン役)、小林千晃(シュタルク役)、岡本信彦(ヒンメル役)、東地宏樹(ハイター役)、上田燿司(アイゼン役)
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:北川朋哉
副監督:原科大樹
監督協力:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン:高瀬丸、小嶋慶祐、藤中友里
コンセプトアート:吉岡誠子
デザインワークス:小橋弘侑、原野瑠奈、瀬口泉、原科大樹
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
公式サイト:https://frieren-anime.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/Anime_Frieren
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@anime_frieren

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