仲野太賀「とにかく元気な大河ドラマを」 『豊臣兄弟!』で日本を明るくする決意

仲野太賀、『豊臣兄弟!』主演としての決意

 2026年、NHK大河ドラマの歴史に新たな1ページが刻まれる。1月4日から放送開始される『豊臣兄弟!』(の主人公は、豊臣秀長。史上初めて日本を統一した兄・豊臣秀吉(木下藤吉郎)とともに、秀長が戦国乱世を駆け抜ける姿を描く。この壮大な物語で、豊臣秀長を演じるのは仲野太賀。実力派として数々の作品で異彩を放ってきた彼が、ついに「大河の主役」という座を射止めた。

 「太賀が大河に」。世間がそのニュースに沸いた時、当の本人は何を思ったのか。そして、盟友・池松壮亮が演じる兄・秀吉と、どのように乱世を生き抜こうとしているのか。クランクインから半年を過ぎても熱気あふれる現場から、仲野太賀の“今”の思いを語ってくれた。

 俳優・仲野太賀にとって、「大河ドラマ」とはどのような場所だったのか。そして、自身の名前に重なるこの大きな舞台の主演オファーを受けたとき、心に去来したものは何だったのだろうか。

「そうですね……。これまで俳優として活動してくる中で、『太賀が大河ドラマの主役をやる』というのは、どこか自分の中で『ネタ』というか、『冗談』の一つでしかない、あまりにも現実離れした事でした。もちろん、俳優という仕事を始めた時から『いつか大河ドラマの主役をやりたい』という憧れや夢はありました。けれど、いざこの業界に入って一歩ずつ歩みを進めていくと、その『大河ドラマの主役』という夢がいかに遠いものであるか、そしてどれほど大きな責任と重圧を伴うものであるかということを、身をもって痛感する日々でもありました」

 10代からキャリアを積み重ね、バイプレイヤーとして確固たる地位を築き、近年では映画やドラマの主演作も相次ぐ仲野。順風満帆に見えるそのキャリアの裏で、彼は常に「大河」という頂の高さを意識していた。

「だからこそ、今回お話をいただいたときは、頭の片隅にあった、半ば諦めかけていた大きな夢が、目の前に急に『現実』として、確かな輪郭を持って現れたような感覚でした。正直に言えば、『こんなことってあるんだ』と。驚きが最初にありました」

 憧れが現実になった瞬間、人は高揚すると同時に、その重みに足がすくむこともある。

「これまで大河ドラマという長い歴史のバトンを繋いできた偉大な先輩方や、そしてこれまでお世話になってきた方々の顔が次々と浮かびました。喜びと同時に、とてつもない身の引き締まる思いを感じたのを覚えています」

 今回彼が演じる豊臣秀長(小一郎)は、歴史ファンの間では非常に評価の高い人物だ。兄・秀吉(藤吉郎)の天才的なひらめきや暴走を、実務面や精神面で支え続けた「日本一の補佐役」として知られる。だが、仲野太賀が目指す秀長像は、単なる「静かなる補佐役」には留まらないようだ。

「一般的には、秀長という人物は補佐役であり、兄と家臣団の間を取り持つ調整役やバランサーといったイメージが強いかと思います。確かに彼は、兄・秀吉の無茶振りを回収し、縁の下の力持ちとして豊臣政権を支え続けました。もちろん、そういった側面は丁寧に演じたいと思っています。もちろん、そういった兄を支える弟としての側面は丁寧に演じたいと思っています。ですが、僕個人の解釈、そして今回の脚本が描こうとしている秀長は、それだけではないんです。ただ兄の隣にいて静かに佇んでいるだけの人物ではなく、兄と同じように情熱と自分自身の理想を持って天下統一という途方もない夢に向かっていく。そんな熱量を持った人物にしたいと考えています。兄の夢は、僕の夢でもある。兄が天下を見るなら、見えていた景色もある。そんなふうに、兄と肩を並べて夢を追いかける、エネルギッシュな秀長を演じられたら、きっとこれまでにない面白い大河ドラマになるのではないかと思っています」

 本作の最大の注目ポイントの一つは、兄・藤吉郎(秀吉)を池松壮亮が演じることだろう。仲野太賀と池松壮亮。日本の映画界を牽引してきた実力派の2人が、兄弟としてタッグを組む。仲野にとって池松は、単なる共演者以上の存在だ。

「池松さんとは、もう10年以上の付き合いになります。僕にとっては公私共にお世話になっている先輩であり、心から尊敬する俳優さんでもあります。これまで何度も共演させていただきましたが、今回兄弟役で、しかもこれほど長い期間ご一緒できるというのは、僕にとっては本当に特別なことです」

 池松壮亮といえば、狂気と純粋さが同居するような、ストイックで静謐な演技が印象的だ。しかし、今回の藤吉郎は一味違うという。

「今回、池松さんが演じる藤吉郎が本当に素晴らしいんです。これまで錚々たる名優が秀吉を演じてこられましたが、池松さんだからこそ体現できる、新たな秀吉像になってると思います。とにかく破天荒で、エネルギッシュで、チャーミングで、頼もしい。そんな“陽”のエネルギー全開の役を池松さんが演じているのを観るのが、僕としてはすごく新鮮で、楽しくて仕方がないんです。僕自身も、池松さんのあんなにはっちゃけた姿を見るのは初めてですし、現場で藤吉郎として暴れ回っている池松さんの演技に毎回惚れ惚れしています」

 普段はクールな池松が、泥臭く、欲望に忠実な猿(藤吉郎)になりきって暴れまわる。それを一番近くで見守り、振り回される仲野。その関係性は、現実の彼らの信頼関係とも重なって見える。

「2人のこれまでの関係性が、そのまま役柄にも良い形で反映されていると感じています。僕が池松さんを慕う気持ちと、小一郎が兄を慕う気持ち。そこには嘘がない。だからこそ、最高に面白くて、どこか切ない兄弟の物語が生まれる予感がしています」

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