『スーパーガール』は『スーパーマン』とは違うテイストの作品に? ティザー予告から考察

『スーパーガール』ティザー予告を解説

 52秒目からのくだり:ここが本作の、というか主人公にとって一番重要なポイントの一つです。スーパーガールことカーラの故郷の話です。カーラもスーパーマン/カルと同じクリプトン星出身であり、クリプトン星は爆発してしまうんですが、彼女の住んでいた街アルゴシティは特殊なドームに覆われていたため、ドームのついた地表ごと宇宙を漂い、この崩壊をなんとか逃れました。しかし結局、アルゴシティは崩壊し、彼女だけが生き残る。つまり、スーパーマン/カルは赤ん坊の頃、爆発寸前のクリプトン星を脱出したから故郷の悲劇は知らない=記憶にないのですが、カーラは故郷の惨劇をもろに見ているわけです。だから“一瞬ならよかった、そのほうがマシだった(なにも悲しみも苦しさも知らず一瞬にして消えられたらそのほうがマシだった)”と心情を吐露しているわけです。ここにスーパーマン/カルにはない、カーラの大きな悲しみ、心の傷があるのです。そしてここでカーラと話す少女がルシー。この物語は、父親の仇をとろうとするルシーと旅することになったカーラの冒険を描きます。ルシーが背中に剣みたいなものをしょっているのがわかります。この剣が重要アイテムです。

 1分6秒目あたり:宇宙のバーみたいなところでカーラ無双。ちょっと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』っぽいテイストですよね。

 1分19秒目あたり:本作のメインヴィランでルシーの父の仇、宇宙海賊“イエローヒルズのクレム”です。

 1分29秒目あたり:ルシーが「あなたの惑星って全員能力者?」との問いに、カーラは「2人しかいない」と答えます。つまり、彼女とスーパーマンのことです。

 1分33秒目:これも重要なシーンです。クリプトが弱まってますよね。原作コミックではある理由があって、カーラはクリプトを救うために“イエローヒルズのクレム”と会わねばならないのです。これがカーラがルシーと行動を共にする理由です。恐らくその設定が映画にも盛り込まれるのでしょう。

 1分35秒目:短い場面ですが、DCファンの間で話題になった、ジェイソン・モモア演じる宇宙の賞金稼ぎロボです! DCの人気キャラの一人がついにスクリーンデビュー。

 1分38秒目:「彼(スーパーマン)は人の善を見抜く。私は真実を見抜く」。ヒーロー映画史に残る名セリフになるのではと思います。スーパーマンとはいかなるキャラか、そして今度のスーパーガールとはどんな人なのか、すごく腑に落ちるセリフです。

 1分42秒目:それまでやさぐれていた彼女がここで太陽を背に浮遊する。コートを脱いでスーパーガールのコスチュームが。そう、カーラがついにスーパーヒーローとして覚醒したことを象徴しています。

 以上です。スーパーガールの奔放さ、しかしその裏に隠れている彼女の悲しみや孤独、でもそれを乗り越えて踏み出そうとする、そうした要素が見事に語られている予告編です。僕は、そもそもスーパーガールというキャラが大好きで、歴代の映画やドラマ、どのスーパーガールも大好きですが、今度のカーラも心から応援したくなりました。監督は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『クルエラ』のクレイグ・ギレスピー。どんな彼女をみせてくれるか、今から楽しみです!

■公開情報
『スーパーガール』
2026年夏劇場公開
出演:ミリー・オールコック、イヴ・リドリー、ジェイソン・モモアほか
監督:クレイグ・ギレスピー
製作:ジェームズ・ガン、ピーター・サフラン
配給:東和ピクチャーズ・東宝
© & TM DC © 2025 WBEI
公式X(旧Twitter):@dc_jp
公式Instagram:@dcjapan
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