『スーパーガール』は『スーパーマン』とは違うテイストの作品に? ティザー予告から考察

こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画およびジャンル映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします! 今回は、先日解禁となった2026年夏公開のDC映画『スーパーガール』のティザー予告の解説です。
映画『スーパーガール』は、2025年の夏、大反響を呼んだ『スーパーマン』のDCスタジオが放つ、DCユニバース(DCU)映画の第2弾です。スーパーマンの従姉であるスーパーガールが活躍します。
予告編を見て「なるほど」と思ったのは、この映画は、超人スーパーガールが地球の人々や街を守るため戦うというスーパーヒーロー映画ではなく、どちらかと言うとすごいパワーを持った女の子が銀河を旅する的な、スペースアドベンチャーものになっていることです。もともとこの映画が、主人公の宇宙でのジャーニーを描く『Supergirl: Woman of Tomorrow』というコミックのエピソードを原作にしているからです。したがって、初期の映画のタイトルも『Supergirl: Woman of Tomorrow』と発表されていました。
また、映画としても、『スーパーガール』をスーパーヒーロー映画にしてしまったら、それは『スーパーマン』の女性版の焼き直しになってしまいます。王道のスーパーヒーロー映画『スーパーマン』との差別化という意味もあるのでしょう。
この予告でわかることは、宇宙を旅するスーパーガールが銀河で、ある少女と出会い、冒険に巻き込まれていくこと。この予告ではブロンディ(Blondie)の「Call Me」が使われていて、それもまたこの予告のいいテンションになっています。
では、予告をブレイクダウンしていきます。以下、該当箇所の再生開始から目安時間を書いておきます。
12秒あたり:スーパーガールの部屋。かなりちらかってますね。彼女がここでスーパー犬クリプトと暮らしていることがわかります。そこに新聞。“スーパーマンが街を救う”と大きな見出し(英文記事から原子炉のトラブルを救ったようです)。スーパーマンの活躍を報じていますね。この新聞で注目すべきは、その右端に“スーパーガールが猫ちゃんたちを救う”という記事が小さく掲載されていることです。つまり、この時点で「スーパーガールは既にスーパーマン同様、地球で活躍しているメタ・ヒューマン(超人)のヒーローの一人である」。ただし「偉大なるスーパーマンに比べマスコット的な扱い」であることがわかります。こうした扱いへの不満やジレンマも、彼女をやさぐれさせ、宇宙を旅するきっかけの一つなのかもしれません。この新聞にクリプトがおしっこひっかけるのも挑発的。このさりげない描写で、本作は『スーパーマン』とは違う映画なのだ、と宣言しているのかもしれません。
25秒目あたり:これは宇宙のバスでしょうか? 本作が宇宙を舞台にした、少女の旅立ち系ロードムービーを目指していることもわかりますね。
27秒目あたり:彼女が自身をカーラ=ゾー・エルと名乗ります。これがクリプトン人としての彼女の本名です。スーパーマンのクリプトン人としての本名はカル=エルです。ファミリー・ネームのエルが共通してますから、2人が親族=いとこ同士ということです。ここでトリビアですが、コミックの設定では、クリプトン人の女性はなぜか父親のフルネームを苗字として名乗るという習慣があります。スーパーマンとスーパーガールは父親同士が兄弟なので同じエルという苗字なのですが、ならばなぜスーパーマンがカル=エルなのに、スーパーガールがカーラ=エルではなく、カーラ=ゾー・エルと“ゾー”が入るのかというと、彼女の父親の名前がゾー=エルだからです。
37秒目あたり:彼女が23歳であることがわかります。原作コミックでは21歳という設定でした。飲酒のこともあるので、映画では年齢を少し上げたのか、演じるミリー・オールコックの実年齢(いま彼女は25歳。ということは撮影時は23歳?)に近づけているのかもしれません。




















