ホラーとユーモアが見事に融合 『WEAPONS/ウェポンズ』の見事なストーリーテリング

『WEAPONS』の見事なストーリーテリング

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、内幸町のワーナー試写室が好きだった宮川が『WEAPONS/ウェポンズ』をプッシュします。

『WEAPONS/ウェポンズ』

 『罪人たち』『ファイナル・デッドブラッド』に続いて、“緊急公開”というかたちでの日本公開が急遽決まった全米大ヒットホラー『WEAPONS/ウェポンズ』。『罪人たち』『ファイナル・デッドブラッド』『WEAPONS/ウェポンズ』に共通するのは、“ホラー”というジャンルで北米興行ランキング初登場1位を獲得したこと。そして、先日親会社のワーナー・ブラザース・ディスカバリーが売却手続きを開始したワーナー・ブラザースの配給作品であること。『WEAPONS/ウェポンズ』は、これまで数々の洋画を配給してきたワーナー ブラザース ジャパンにとって、“最後の洋画配給作品”となることでも話題となっている。

 監督・脚本を務めたのは、『バーバリアン』のザック・クレッガー。キャストには、『アシスタント』のジュリア・ガーナー、『DUNE/デューン 砂の惑星』のジョシュ・ブローリン、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のオールデン・エアエンライク、『ドクター・ストレンジ』のベネディクト・ウォンらが名を連ねている。

 水曜日の深夜2時17分、ある町で子どもたち17人がいきなり家を飛び出し、暗闇の中へ走り出し姿を消した。消息を絶ったのは、ある学校の教室の生徒たちだけ。なぜ、彼らは同じ時刻に、忽然と消えたのか。疑いをかけられた担任教師のジャスティン(ジュリア・ガーナー)は、残された手がかりをもとに、集団失踪事件の真相に迫ろうとするが……。

 あらすじだけ読むとよくあるホラー映画に思えるが、『WEAPONS/ウェポンズ』の凄いところはストーリーテリングの巧みさにある。担任教師のジャスティンをはじめ、失踪した子どもの父親アーチャー(ジョシュ・ブローリン)、警察官のポール(オールデン・エアエンライク)、ジャンキーのジェームズ(オースティン・エイブラムス)、学校の校長マーカス(ベネディクト・ウォン)、そしてクラスで唯一生き残ったアレックス(ケイリー・クリストファー)という登場人物それぞれの視点で、違う角度から集団失踪事件の謎を描きつつ、徐々にその真相が明らかになっていく。とにかくこの構成が見事で、ホラーとしては若干長い128分という上映時間もあっという間に過ぎていく。

 集団失踪事件の真相についても、全く予想だにしないような展開が待ち受けている。“ネタバレ厳禁”で話題になったことも納得の“オチ”なので、その結末はぜひ劇場で目撃してほしい。

 ホラーとユーモアが見事に融合した『WEAPONS/ウェポンズ』。劇場を出たら、ポスタービジュアルでも描かれている“あのポーズ”で走りたくなること間違いなしだ。

■公開情報
『WEAPONS/ウェポンズ』
全国公開中
出演:ジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、オールデン・エアエンライク、オースティン・エイブラムズ、ケイリー・クリストファー、ベネディクト・ウォン、エイミー・マディガン
監督・脚本・製作:ザック・クレッガー
配給:ワーナー・ブラザース映画
128分/原題:Weapons/R18+ 
©2025 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved

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