『ひらやすみ』大塚安希Pが明かすキャスト陣の熱すぎる役作り 「敬意の念しかありません」

『ひらやすみ』キャスト陣の熱すぎる役作り

 NHK夜ドラ『ひらやすみ』のプロデューサーを務める大塚安希のコメントが公開された。

 真造圭伍の同名漫画を原作とした本作は、東京・阿佐ヶ谷の一軒家を舞台に、元俳優でいまは定職も不安もない自由人・生田ヒロト(岡山天音)と、上京してきた従妹・小林なつみ(森七菜)を中心に、“肩の力が抜けるような日々”を描くヒューマンドラマ。

 大塚プロデューサーは、主人公・ヒロト役の岡山天音について、バイクの免許を取得して撮影に臨んだエピソードを披露。公道での運転は避けたいという制作側の意向があったにもかかわらず、公道以外の場所で撮影するわずか数秒のシーンのために免許を取得した岡山の役者魂を称賛した。

 また、なつみ役の森七菜については、漫画を描くシーンの手元がすべて本人によるものであることを明かした。Gペンを使った絵の描写が「漫画指導の先生が驚くほどのお上手さ」だったといい、撮影の合間にも練習を重ねていた様子を語った。

 さらに、ばーちゃん役の根岸季衣が自ら白髪の色具合や肌質について提案し、想像以上のキャラクターを作り上げたことや、吉岡里帆のアイデアがそのまま台詞になったエピソードなども紹介された。

 最終週に向けては、「白い紫陽花」のエピソードが見どころであると語り、「大切なエピソードなので、放送まで私も緊張しますが、どうかご覧いただけたら幸いです」とメッセージを送った。

大塚安希(プロデューサー)コメント

岡山天音について

ヒロトにとって大切なアイテムとなっているバイク。制作体制にもよりますが、首都圏近郊の公道では、安全を確保するためにも、俳優さんが実際にバイクを運転しての撮影は避けることが多いです。オファー時、岡山さんはバイクの免許はお持ちではありませんでした。けれどどちらにしても公道での本人で運転は避けたいので、免許をお持ちでないことはそこまで大きな問題ではない……と思っていたしお伝えしていたのですが……。なんと岡山さん、忙しい合間を縫ってクランクイン前に、バイクの免許を取得されたのです。
それは、ばーちゃんの家にくるシーン(第1回)や、過去のヒロトが住んでいたアパートに帰ってくるシーン(第11回)、ばーちゃんの家から帰るシーン(5週目)などの、公道ではない場所で撮るほんの少しの走り出しやシーンのためなのでした。
それぞれ5秒にも満たない、全話分を合計しても、15秒程度のバイク走りのシーンを、少しでもリアルなものにできるように、1秒でも長く代役ではなくご自身でヒロトを演じるためだったのではないかと思います。

森七菜について

なっちゃんの漫画シーン、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、手元も全部ご本人なのです。Gペンというペンを使って絵を描くことは、慣れていないはずなのですが、撮影前に一度練習をした時にもう漫画指導の先生が驚くほどのお上手さ。そしてその上で、漫画用の紙とGペン、消耗品のペン先もいくつも持ち帰り、練習してくださいました。撮影の合間にもロケ地の片隅でご自身で絵を描いている姿も。その姿はまさになっちゃんで、初めて出会った時から、衣装合わせなどの準備や、撮影が重なるにつれて、見ている側からすると、森さんとなっちゃんがどんどん重なっていく……みたいな感覚がありました。
第8回の漫画家なっぞー!のシーンでは直前までジャンプの形を原作を見て練習していて、それをあかり役の光嶌さんが横で微笑んで見ている姿も。今視聴者の方が感じてくださっている「なんて可愛いんだこの2人は!」という感覚を、ひと足さきに体感させていただきました。笑

根岸季衣について

ばーちゃん役の根岸季衣さんは、ドラマ内ではずっと腰を曲げてくださったのですが、実は、とても姿勢の良い方なのです。
衣装合わせの前に原作を読み込んできてくださって、こちらが何も言葉を発する前に、ご自身から「白髪は汚くはないけど綺麗ではない具合がいい」という白髪の色具合や、「肌もシミとか作ろう」などと肌質に関してのご提案を沢山してくださって、ビジュアルから、想像していた以上のばーちゃんが誕生しました。実年齢より10歳以上上のばーちゃんを見事に演じきってくださっている姿には、敬意の念しかありません。

吉岡里帆について

第10回のお祭り回では、吉岡さんのアイディアがそのまま台詞になっているシーンも。ヒロトくんとよもぎさんの食べたいものが一致するシーン、実は原作では違う食べ物なのですが、撮影場所の事情で、オリジナルの場所とメニューを考案することになりました。当初は「ヤンニョムチキン」の台本だったのですが、とあるロケの日、「私思いついたんですけど……! 提案してもいいですか……!」という形で、吉岡さんからキラキラな目でご提案いただいたのが「メガ盛り山分けチーズのせヤンニョムチキン」!
「それを食べたくてここにきた」という絶妙な度合いを原作ともう一歩近づけるために、よもぎさん視点で考えてくださったのが、普通の「ヤンニョムチキン」に「メガ盛り山分けチーズのせ」という絶妙さをもう一歩足してできたあのシーン。吉岡さんのご提案に、岡山さんも監督も賛同し、ヒロトくんとよもぎさんの何かが打ちとけ合う大切なシーンが完成しました。

最終週の見どころ

台本作りをしていたときにすでに単行本で7巻まで出版されていて、かつ連載が進んでいる原作を15分×20話にするというのはとても難しいことでした。その中でも「白い紫陽花」のお話については、ぜひ入れたい……と思っており、満を持して来週放送となります。大切なエピソードなので、放送まで私も緊張しますが、どうかご覧いただけたら幸いです。

■放送情報
夜ドラ『ひらやすみ』
NHK総合にて、毎週月曜から木曜22:45~23:00放送
NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信中
出演:岡山天音、森七菜、吉村界人、光嶌なづな、蓮佛美沙子、駿河太郎、吉岡里帆、根岸季衣 ほか
ナレーション:小林聡美
原作:真造圭伍
脚本:米内山陽子
音楽:富貴晴美
音楽プロデューサー:福島節
演出:松本佳奈、川和田恵真、高土浩二
制作統括:坂部康二、熊野律時
プロデューサー:大塚安希
写真提供=NHK

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