吉沢亮、福士蒼汰、笠松将 “英語”で新境地を更新した俳優たち

配信が当たり前になったいま、俳優の表現は最初から世界と地続きに置かれている。完成した作品はそのまま各国へ届けられ、俳優の言葉や表情も、国境を越えて受け取られていく。そのため、英語も特別な挑戦ではなく、役を自然に成立させるために必要な要素のひとつとして位置づけられつつある。役に合わせて言葉を身につけたり、国際作品の現場に飛び込みながら、その経験を表現へ還していくケースも増えてきた。いま、その英語をきっかけに表現の幅を広げる俳優たちが増えてきている。
福士蒼汰

国際舞台での活躍を早くから志していたのが福士蒼汰だ。彼の英語挑戦が大きく形になったのが、海外ドラマ『THE HEAD』Season 2。スペインの制作チームが主導し、世界90以上の国と地域で配信されるこの現場は、撮影スタイルもコミュニケーションも日本とは大きく違う。だが福士は、その空気に臆することなく飛び込み、国際舞台で輝くことに成功した。
福士が演じたのは、優秀なコンピューター・エンジニアのユウト。ストーリーを支える重要な役柄であり、英語の多いセリフ量を安定して処理するだけでなく、緊迫した状況下でもキャラクターを崩さずに立たせ続けることが求められた。彼はその準備を独学ベースで積み上げてきたことは様々なメディアで語られているが、安定した発音や流暢さよりも印象に残るのは、言語の上にある芝居だ。日本の俳優にとって、英語はどうしてもハードルとして語られがちだが、福士はそこを乗り越え、ユウトという人物として画面に存在する段階まで持っていったのは努力の賜物だろう。
福士蒼汰「“自分”というものは5年前まではゼロに近かった」 30代は“動き回ること”を意識
遊川和彦が脚本を手がけるオリジナルドラマ『アイのない恋人たち』が、1月21日よりABCテレビ・テレビ朝日系でスタートする。202…さらに、福士の挑戦は作品の外側にも広がっていった。フランス・カンヌで行われた国際映像コンテンツ見本市「MIPCOM CANNES 2022」に登壇した際には、海外メディアの前で堂々と英語で受け答えし、自分の言葉で作品を紹介した。あの場に立つ姿は英語が話せる俳優ではなく、国際チームの一員として作品を背負う人だった。現場の努力が、プロモーションの場でもそのまま力になっている。こうした発信力や信頼が、次のオファーを呼ぶ大きなきっかけになっていくことになるはずだ。





















