【第4話】『良いこと悪いこと』犯人の正体候補まとめ アゲハ蝶、“7人目”の同級生を考察

『良いこと悪いこと』犯人の正体候補まとめ

 今期の考察ドラマの中で一番の盛り上がりを見せている間宮祥太朗・新木優子主演の土曜ドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)。これまで小学6年生当時に猿橋園子/どの子(新木優子)をいじめていた6人の同窓会メンバーが次々と命が狙われており、法則通りなら次の標的が羽立太輔/ちょんまげ(森優作)となるが、果たしてどうなるのか。羽立標的説を裏付ける描写と、現時点でわかる犯人の動機について考察してみたい。

 今作は、同窓会で22年ぶりにタイムカプセルを掘り起こしたことで始まった連続殺人事件に、現在「高木塗装」3代目社長であり妻と娘を持つ6年1組のリーダーだった高木将/キング(間宮祥太朗)と、そのキングから当時いじめられ、今は“美人すぎる記者”として話題の『週刊アポロ』記者・猿橋園子/どの子が事件の真相に迫っていくサスペンスドラマ。殺人の標的とされている6人の共通点として卒業アルバムの顔が塗りつぶされており、彼らは当時、鷹里小学校に6年生で転校してきた園子をいじめていたメンバーだった。タイムカプセルに収められていた「みんなの夢」の絵に関連するかたちで命が狙われている。

 同窓会の夜、「空を飛ぶ」という夢を描いた武田敏生/貧ちゃん(水川かたまり)が自宅マンションから転落死したのを皮切りに、「消防士」を描いた桜井幹太/カンタロー(工藤阿須加)は店主を務める居酒屋が火事となり巻き込まれ、「スポットライトを浴びるアイドル」を描いた中島笑美/ニコちゃん(松井玲奈)はトラックに撥ねられ死亡。そして第3話、「宇宙飛行士になる」を描いた小山隆弘/ターボー(森本慎太郎)については、宇宙事業の囲み会見に登壇している際に天井からガラスが落下するも、キングに助けられ一命を取り留めたという流れ。仲良し6人組のあだ名にちなんだ「森のくまさん」の替え歌に登場する名前順の通りにターボーは襲われた。

 このセオリー通りだと次のターゲットは大学を中退して現在は引きこもりの羽立/ ちょんまげとなる。次回予告を観る限りちょんまげは次は自分がターゲットになることを察していて、将来の夢が「侍」であることからも、まるで切腹か介錯のように自身を刺すよう園子を促しているようだ。ただ、わざわざ予告動画冒頭に「この中の誰かが死にます」と6人以外の同窓会メンバーと先生が含まれ、「連続不審死事件は新たな局面へ」という煽りを映し出していることからも、これまでのセオリー通りに進まないフラグが立っている。

 当時のクラスメイトが22年前の他人の絵について詳しく覚えているのは不自然なので、もし覚えているとしたら先生だが、いずれにしろ一度犯人がタイムカプセルを掘り返したのだと考えられる。とはいえこのご時世、セキュリティが厳しく部外者が小学校の校庭に入って掘り起こすというのは厳しい。それを思うと、当時担任の大谷典代(赤間麻里子)は現・鷹里小学校の校長なので許可を得ていた、もしくは黙認されていたと考えると、真犯人と顔を合わせている可能性が高く、つまり消される確率も高い。大谷がタイムカプセルの掘り起こしに参加しなかったのも、黒く塗りつぶした犯人を知っていて、関わりたくないと思っていたのではないだろうか。

犯人の動機は?

 さて、犯人の動機についていくつか考えられるが、まず今作の主題歌をあえて2002年リリースのポルノグラフティ「アゲハ蝶」にしたことは、転校してきた園子をアゲハ蝶に喩えていると誰もが思うところ。連続殺人のきっかけとしては園子による復讐と思えるが、いまさら成功している自分がリスクを負ってまで殺人は犯さないだろう。とはいえ、いじめられていたにも関わらず同窓会に出向いたのが気になるが。

 あるいは当時園子を好きだった誰かが、今もいじめのトラウマを持つ彼女のために復讐を企て、自分の存在を気づかせるというパターンや、6人の誰かに復讐するため、それとも他の事件をカモフラージュさせるために園子のネタを利用したとも考えられる。ただ逆に、園子曰く「結局覚えていることは自分の都合のいいことだけで、悪いことはすぐに忘れる。思い出さないようにしてる」と言うように、実は園子にいじめられていた人、または園子に好きな人の気持ちを奪われて、現在成功している園子の存在が許せない人物がいるかもしれない。最終的に園子を追い詰め、園子が一番なりたくなかった「悪い子」に仕立てるのが目的という線だと物語しては盛り上がる。これまで4人の命が狙われるも、カンタローとターボーは一命を取り留めたことで、目的は6人の生死ではなく、あくまでも園子を追い詰め今の地位を失墜させるための連続殺人の線が濃い。

犯人候補(?)の藤間爽子、深川麻衣ら

 第1話で気になった人物は、同窓会を仕切っていた小林紗季/委員長(藤間爽子)。政治家を夢見ていたが今は区民事務所の公務員。その絵にはタバコにバツ印が描かれていたが、今は逆にタバコを吸う大人に成長していることからも、理想とはかけ離れた人生を歩んできたと推測される。どうもキングに憧れていた様子で、キングの結婚指輪を見つめ思いつめる表情を見せていた。おそらくキングは園子のことが好きで虐めていた男子タイプのようでもあり、園子が転校してきたことでキングを奪われたと思っているとか。区役所職員から政治家になるチャンスもあるとはいえ、政治の世界に近い記者として成功している園子の記事を見て、自分の境遇とは対照的なので嫉妬心が再燃したとか。

 また、同窓会を仕切るほどの人物であるだけに校長先生と連絡をとり、タイムカプセルを一度掘り起こしていてもおかしくない。当時、園子が倉庫に閉じ込められた理由は、誰かが園子のペンケースを倉庫に隠したのを取りに行ったこと。そして閉じ込められた園子を6人がからかったのは、以前園子がお気に入りだった犬のぬいぐるみキーホルダーをニコちゃんも持っていて、そのぬいぐるみが盗まれたと思いニコちゃんを責めたことでキングが目をつけられていて、リーダーのキングが音頭をとったから。

 ただこれは小学生男子特有の好きの裏返し、もしくは誰かを庇っていると考えないと何か不自然な行動でもある。重要なことは犬やペンケースを隠したのは誰かということ。6人が倉庫に向かう際に、遠くから委員長らしき人物がその場から去っていくのが見えるが、果たしてどうなのか。


 ただ第3話まで観る限り、園子の同期の記者である東雲晴香(深川麻衣)も怪しい行動を見せている。貧ちゃんの死のニュースを知り、「空を飛ぶ」夢の絵のことを知っていたことや、ニコちゃんの彼氏がドラッグの元締めで薬物事件を追っていたとはいえ、ニコちゃんが殺害されるかもしれないクラブに顔を出したこと。そしてターボーの宇宙新規事業のPR会見に訪れたにも関わらず、ガラスが落下してきた囲み取材には姿を消していたことは記者として不自然すぎる。また、受付を通る際に、何やら天井を確認する仕草も怪しいことからも連続殺人に関わっている、もしくは事件が起きることを知っていた可能性が高い。

 もし園子への復讐心があるとするなら単に脚光を浴びる同僚を陥れようとするライバル心があるのかもしれないが、東雲も同い年の34歳ということから同級生だった可能性がある。いじめた側は覚えていない理論からすると、園子は知らぬ間に東雲から恨みを買っていたのかもしれない。

 例えば転校前の同級生だったり、園子転入当時の映像では席が30人いたようだが、卒業時はクラス全員で29人とされていて、その幻の1人の可能性もあるし、他クラスの生徒かもしれない。東雲が園子に言った「やったほうもやられたほうもなかったことにはできない。それを背負ってこの歳まで生きている。だから許さなくていいんんじゃない?」というセリフは、実は園子に向けたものなのか? さらに、公式サイトのプロフィール帳(※)に東雲は、「もし将来違う職業に就いてたら」の項目に「ガラス職人」とあるのは今回のターボーの事件に繋がるし、好きだった遊びにどの子と同じ「木登り」という共通点は過去に接点があったと思わせる。もし犯人だとするならこれまでの犯行を見る限り力が必要なものばかりなので協力者が当然いるはずだ。

 忘れられた同級生という説なら他にも、レトロスナック「イマクニ」今國一成(戸塚純貴)や、スナックの常連客の謎の公務員(警察?)・宇都見啓(木村昴)が同い年なので、幻の生徒、または園子が転校する前の同級生という可能性も考えられる。

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