堺雅人「やりたい役がない」 阿部寛、磯田道史らが“化け物俳優”ぶりに称賛コメント

堺雅人、『あさイチ』で「やりたい役がない」

 10月31日放送の『あさイチ』(NHK総合)に、俳優の堺雅人が出演した。同番組への出演は実に10年ぶりになるという。

 冒頭では同じく九州出身の博多華丸・大吉とトーク。堺と華丸はNHK大河ドラマ『真田丸』(2016年)で共演しており、共演時の印象を語り合った。

 司会の鈴木奈穂子から、視聴者コメントのお題を尋ねられた堺。「自分がやりたい役がない。来た役を演じるので精一杯で……」と語り、「演じてほしい役柄」をお題に設定。一つ一つの役へのこだわりぶりで、共演者を驚かせた。

 ドラマ『VIVANT』(TBS系)で共演した阿部寛からは、続編の舞台であるアゼルバイジャンからメッセージ。「セリフを間違えるのを見たことがない」と、堺のプロ意識を絶賛した。また、同じく共演者だった元力士の富栄ドラムが、収録現場で頻繁に四股を踏んでいたという。富栄の体幹の強さに惚れ込んだ堺は、数カ月にわたり自身も四股の練習に励んだのだとか。こうした一つ一つの物事への徹底ぶりに阿部は敬意を表した。

 続いてビデオメッセージを送ったのは歴史学者・磯田道史。堺が出演した映画『武士の家計簿』(2010年)は磯田の著作が元に制作されており、堺も磯田と交流がある。

 磯田は堺を「底が知れない」「化け物俳優」だと評する。何かを考えている量が膨大だとして、一般に見られている堺は「地中に埋まっている巨岩のごく一部」だと喩えた。歴史にも造詣が深い堺に対して「質問が本質的」だと語り、役作りのために「刀の構え方の、流派による重心の違い」を事細かく尋ねたというエピソードを明かした。

 堺と磯田のほか、漫画家のヤマザキマリや俳優の杏とともに歴史や文化について語り合う、プライベートの交流があるという。ある日、杏が落書きとしてヒエログリフを使い始めた(自身の名前をヒエログリフで書いたらしい)ことが堺から明かされ、想像以上のリテラシーの高さに共演者たちは戸惑いつつも称賛の声を送った。コロナ禍を機に同会合は中断されていたというが、放送中に堺の口から再開が約束された。

 歴史への情熱をはじめ、何事にもとにかく「ハマっちゃう」タイプだと自身の性格を語る堺。歴史への興味のきっかけは、ゲーム『三国志』シリーズだったと明かし、また食べ物にハマったときは、たとえばナッツであればナッツを、りんごであればりんごを、1日3食の生活を数カ月続けてしまうことさえあるという。一方で同時に複数のことができる人物として、博多大吉のようにお笑いや俳優業など多方面で活躍できる才能には羨ましいと感じることもあると語った。

 新作の映画『平場の月』(11月14日公開)の役作りにおいても、原作小説を何度も、1年半にわたりくりかえし読み込み続けたという。番組では撮影中の様子が明かされ、堺演じる青砥健将がおかずを食べる順番など、詳細な部分までこだわり抜くさまが映し出されていた。

 番組終盤には視聴者からのメッセージが届き、冒頭でお題に出していた「演じてもらいたい役」についてトーク。「小日向文世とのホームコメディ」「子育てに翻弄する主夫」など具体的な設定が到着した。コメントに対応する堺は終始にこやかであった。

■配信情報
『あさイチ プレミアムトーク 堺雅人』
NHKプラスにて、11月7日(金)9:53まで配信中
ゲスト:堺雅人
キャスター:博多華丸
VTRインタビューゲスト:阿部寛、磯田道史
司会:博多大吉、鈴木奈穂子
写真提供=NHK

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