宮﨑あおいが絶賛、森七菜の“恋する高校生”役の説得力 『秒速5センチメートル』“姉妹”対談

宮﨑あおいも感激、森七菜の学生時代の青春エピソード

ーー役作りに関しては、新海誠監督の原作アニメーション映画を参考に?
森:そうですね。そこは一寸たりとも軽んじてはいけないなという気持ちが常に自分の中にありました。現場では、すぐに確認できるように、スタッフさんが原作アニメの映像を用意してくれていたんです。それほど忠実に再現しているシーンもありますし、いい意味で縛られすぎずに、原作に沿うことができたのは、みなさんのサポートのおかげだと思います。
宮﨑:私が演じた美鳥は原作ではあまり描かれていない部分が多かったのですが、監督に初めてお会いしたときに、作品に対してとても愛やリスペクトがあるのを感じたので、もう監督についていこうと。監督がおっしゃる通りにやっていければいいなと思って演じていました。
ーー監督への信頼感も大きかったと。
宮﨑:監督から参考になればということで、森さんも出演されている『アット・ザ・ベンチ』を拝見させていただいたんですけど、それがもう最初から最後まで面白すぎて。そういう意味でも監督へのリスペクトがありましたし、現場でも信頼しながらお芝居ができました。
森:『アット・ザ・ベンチ』は1日で撮り切ったんですけど、大雨が降ったりして本当に濃い1日だったんです。そのときから、監督の作品づくりへの情熱をものすごく感じていたので、今回『秒速5センチメートル』という多くの人に愛されている作品を実写映画化するという大役を担われるにあたって、より大きな情熱をもって臨まれていたと思うので、そこはもう監督を信頼して。1回も不安に思ったことはありませんでした。

ーー実際に完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
森:「こんな映画だったんだ!」って(笑)。出ていないパートも多かったので、ある意味すごく客観的に観ることができました。何か大きな出来事が起こるというより、石が転げ落ちて川の下までくだっていくような小さなことだけど、確実に私たちの日常に寄り添った映画だなと感じました。原作が公開された当時の雰囲気までも再現されているような、とても素敵な映画だと思います。
宮﨑:私も知らないシーンがたくさんありました。小学生時代の2人がもう本当にかわいいなというところから始まって、種子島パートのキラキラした感じ、大人になってからの切ない感じ……それぞれのパートの良さがすごく出ていたと思います。映画を観ながら種子島の“匂い”を感じて、撮影の日々が思い出される感覚もあって。それはきっと監督の力であったり、カメラマンの今村圭佑さんの力であったりが大きいと思いますが、そのようないろんなものを感じる映画になったなと思いました。
ーー2008年パートの宮﨑さんもすごく素敵でした。
森:そうなんですよ! 最高すぎて。
宮﨑:ありがとうございます。
森:貴樹くん(松村北斗)と2人でご飯屋さんのカウンターでご飯を食べるシーンがすごく好きで。「私の隣にも座ってきてくれないかな」という感じで。
宮﨑:ははは!
森:ずっと一緒にいていたい感じがありました。
宮﨑:松村(北斗)さんがとてもニュートラルに、現場でも真っ直ぐお芝居に向き合っていらっしゃったので、それも大きかったと思います。
ーー種子島のパートでは貴樹と花苗の「迷い」や「悩み」が描かれていますが、お二人は何かに迷ったときにどう決断していきますか?
森:聞きたいです!
宮﨑:私はあまり迷わないタイプです。「あ、いい感じがする!」と思ったら飛び込むし、そこは本当に“直感”ですね。買い物とかでも迷わないですし、お仕事においても迷うことはないかな。でも迷子になりそうになったら、監督だったりスタッフさんであったり、頼れる人が周りにたくさんいるので、そういう方たちに助けていただいています。みんながいるから迷わないというか。
森:私は悩み自体は尽きないですけど、それこそ買い物とかお芝居とか、その場ですぐ決めなければいけないことはすぐに決められるかもしれません。宮﨑さんと同じで、直感タイプですね。

ーー学生時代の忘れられない思い出はありますか?
宮﨑:記憶が古いのでちょっと思い出す時間をください(笑)。
森:(笑)。自分の中でキャッチーな思い出としてすごく残っているのが、高校の卒業式の日に靴箱を開けたらラブレターが入っていて……。
宮﨑:わー!
森:あまり喋ったこともない男の子からだったんです。私は当時、東京と大分を行ったり来たりしながらもうこのお仕事を始めていたんですけど、そのラブレターでは、“女優さんとしてではなく、あなたとして好きです”みたいに書いてくれていて。学生生活と東京での生活のギャップに悩んでいた時期でもあったので、その言葉にすごく感動したんですよね。自分を認めてくれたような気がして、すぐに返事を書いて渡しました。だから今回、高校生のあの頃に戻れるような気がして、そういう意味でもすごく貴重な経験をさせていただきました。
宮﨑:すごい素敵!
森:自分でもドラマみたいだなって思います。すごく記憶に残ってますね。
宮﨑:私はそういう思い出がパッと出てこないので、もっとちゃんと学生生活を楽しんでおけばよかったなと思います。仕事で学校に行けなかったとかではなく、当時はあまり学校自体に興味がなかったんです。今思えば、すごくもったいなかったなって。勉強ももっと真面目にして、森さんみたいな青春を送りたかったです。
■公開情報
『秒速5センチメートル』
全国公開中
出演:松村北斗、高畑充希、森七菜、青木柚、木竜麻生、上田悠斗、白山乃愛、岡部たかし、中田青渚、田村健太郎、戸塚純貴、蓮見翔、又吉直樹、堀内敬子、佐藤緋美、白本彩奈、宮﨑あおい、吉岡秀隆
監督:奥山由之
原作:新海誠劇場アニメーション『秒速5センチメートル』
脚本:鈴木史子
音楽:江﨑文武
主題歌:米津玄師「1991」
劇中歌:山崎まさよし「One more time, One more chance ~劇場用実写映画『秒速5センチメートル』Remaster~」
制作プロダクション:Spoon.
配給:東宝
©2025「秒速5センチメートル」製作委員会
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