竹野内豊、『雪風 YUKIKAZE』に込めた思いを語る 「私たちが後世に伝えていくことが義務」

竹野内豊が主演を務める映画『雪風 YUKIKAZE』の大ヒット御礼舞台挨拶が8月27日にTOHOシネマズ 日比谷で開催され、竹野内豊、奥平大兼、田中麗奈が登壇した。
太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を描きつつ、「雪風」の勇姿を史実に基づいたフィクションとして蘇らせていく本作。『起終点駅 ターミナル』『空母いぶき』などで助監督を務めてきた山田が監督を務め、同じく『起終点駅 ターミナル』『空母いぶき』などの長谷川が脚本を手がけた。
「雪風」の艦長・寺澤一利を演じた竹野内は「満員御礼ということで今回のイベントがファイナルとなります。皆さんに伝えたいことがこの映画にたくさんあります。一つだけ申し上げたいことは、80年という節目に『雪風』を描いた作品が世に送り出されること、そして戦争を伝える人が徐々にいなくなっている中で、かつてこういう事実があったと伝えることは大きな意味があったのではないかと思います」と挨拶した。
若き水雷員・井上壮太を演じた奥平は「映画が公開して少し時間が経ちまして友人や年代が上の方から映画観たよと言っていただくことが多くて、すごく嬉しいなと思っております」とコメント。
寺澤の妻・志津役の田中は「出演したシーン数はあまり多くないのですが、今回地方のキャンペーンなどで直接映画の反応を感じることができたので幸せなことだと思います。全国の皆様から映画を観た感想が私の方にも届いておりまして、これからも皆様に広げていければいいなと思っております」とそれぞれ感謝の気持ちを伝えた。
周囲の反応について聞かれると、竹野内は「すごく素晴らしかったよという声が届いていて、まだ具体的には聞けてないんですけど(笑)。皆さん観る前だからあまりお話できませんが一つだけ、この映画を観て“助け舟”という言葉の真の意味を感じまして。本当の意味での“助け舟”をたくさんの方が求めている時代にこの作品を作れて良かったなと思います」と話す。
奥平は「歳が上の方が観てくださって感想をいただいて、今までの戦争映画と違って新しい発見があったという感想をいっぱいいただき、自分のSNSなどでもコメントが届いたりしています」と明かした。
田中は「私は福岡県出身で、キャンペーンでも福岡に行かせていただいたのですが、福岡の親戚からお客さんたくさん入っていたよとか、小学生が真剣に観ていたよと教えてもらってそれがすごく嬉しかったですね。小学生から観られる戦争映画ってなかなかないと思いますので、制作の想いが伝わったんだなと思って」と喜びの表情を見せた。
イベントでは、10代で駆逐艦「初霜」に電信員として乗艦していた故・今井桂さんが本作へ感想を寄せた映像が投影された。今井さんのコメントを受けて竹野内は「今井さんがおっしゃっていたように、“壮絶な戦いであの時は何が何だかわからなかった”というお話いただいて思い出したのですが、前に別の戦争映画をやった時に戦争を体験された方にお話をうかがったことがあって、“戦争というのは敵の弾で命を失うと思うだろ。違うんだよ。みんな怖いから一斉に撃ち始める。味方の弾でも死んでしまうこともあった。それが戦争の恐ろしさだ。”と教えていただいて。戦争を体験した人じゃないとその壮絶さは分からないと思いますし、二度と繰り返してはいけないなと思います。そのためにこの映画をご覧いただけたらいいなと思います」と自身の体験も交えて想いを明かした。
奥平は「平和がある大切さを伝えることが大事なんだなと改めて思いました。今年22歳で初めて戦争映画に携わらせていただきましたが、また戦争を題材にした作品に携わる機会があるかもしれないので、この『雪風 YUKIKAZE』から学んだこと、受け継いだ気持ちを年を重ねてもなくさずに残していきたいと強く思いました」と話した。
田中は「戦争のことを語りたくないと思う方も多いなかで、本作を製作する上で今井さんはスタッフと色々なコミュニケーションを取っていただいたと聞いているので、つらい経験を『雪風 YUKIKAZE』に託してくださった。ご自身の辛かった事を思い出すことは身を削る想いだったかと思います。今井さんの想いに感謝しております。このメッセージを受け取ったからには次の世代に伝えていく義務があるんだなと改めて感じました」と感謝を伝えるとともに作品に託された思いを受け止めた。
最後に竹野内は「本当に私たちは今井さんのように実体験された方のお話を聞くことができなくなっています。時と共に戦争という現実味が薄れてきてしまっていると思います。私たちがバトンを受け取って、私たちが後世に伝えていくことが義務ではないのかなと思います」とメッセージをおくり、舞台挨拶を締めくくった。
今井桂さん コメント
本日の映画を見せていただいて、
その迫力と偉大さに頭の中が真っ白になるほどの感激を致しました。
これを製作した方々に心から御礼を申し上げます。
私も通信室におりましたので、
密閉された部屋の中ですから外の一般の空気は全く分かりません。
ただ居住区から通信室に通う階段の内には
救助した中にはっきりと戦死したというのか負傷したのか、
そこの判別は私には分かりませんが、
通路にいくつかの死体といいますか人が横たわっているような状態は見ました。
大変激烈な戦闘でしたので、私自身も転倒して
何が何だか判断に苦しむような状態が続きました。
もう二度とこのような戦争は起こしたくはないと思います。
■公開情報
『雪風 YUKIKAZE』
全国公開中
出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、藤本隆宏、三浦誠己、山内圭哉、川口貴弘、中林大樹、田中美央、田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一
監督:山田敏久
脚本:長谷川康夫
撮影監督:柴主高秀
VFX 監督:オダイッセイ
音楽:岩代太郎
主題歌:「手紙」Uru(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
協力:防衛省、海上自衛隊
製作プロダクション:デスティニー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、バンダイナムコフィルムワークス
©︎2025 Yukikaze Partners.
公式サイト:yukikaze-movie.jp
公式X(旧Twitter):@yukikazemovie
公式Instagram:@yukikaze_movie

























