『誘拐の日』安達祐実が明かした“家族の真実” 凛の頭脳を狙う水原博士の陰謀が動き出す

過去を背負った男・新庄政宗(斎藤工)と、天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)。罪を犯した過去を持つ中年男と、両親を殺された8歳の少女といういびつな逃避行バディが、不器用ながらも互いの孤独に寄り添い、信頼を築いていく様子が話題のサスペンスドラマ『誘拐の日』(テレビ朝日系)。第3話では、これまで謎に包まれていた新庄の妻・汐里(安達祐実)がついに登場した。
感情のままに突っ走る新庄と、冷静かつ聡明な凛。ぶつかり合いながらも歩幅を揃えていく2人の“奇妙なバディ関係”が、少しずつ本物の絆へと変わっていく過程には、見る者の心を揺さぶる強さがある。そして、再登場した汐里の言葉が照らすのは、これまで語られなかった“家族の真実”。誰が味方で、誰が敵なのか。その境界線すらあいまいなこの世界で、凛と新庄の逃避行は次なる局面へと突入していく。

凛を襲った謎の男・鮫洲豪紀(栄信)との一悶着の危機を救ったのは、音信不通だった汐里だった。逃亡中の新庄と凛にとって、街を歩くことすら困難な状況の中、汐里は彼らを自宅マンションにかくまうという思いがけない行動に出る。だが、その親切に対し、凛の警戒心は一向に解けない。むしろ凛は、自身の両親を殺したのが汐里ではないかと疑いの目を向ける。汐里は冷静にその疑念を否定するが、その言葉が、すべて真実だとは限らない。凛の目には、治療費の出どころも含め、汐里の存在が謎に包まれて見えていた。

汐里が新庄に渡した大金を手にしながらも、あえて彼女の家に泊まるよう交渉するなど、凛はその知恵と計算高さをいかんなく発揮する。さらに、朝食を警戒しながら「おばさん」と呼び捨てて挑発するなど、汐里との間には火花が散るような応酬も。そんな中、凛と新庄は確信を得るため、密かに汐里を尾行する。向かった先は病院だった。

ついに問い詰める機会を得た2人は、「その漢方は何のため?」「7月8日はどこにいたの?」と核心に迫る。しかしそのとき、須之内司(江口洋介)たち警察官が現れ、汐里の部屋を捜索する展開に。須之内は食洗機の中にある食器に人の気配を感じ取るが、汐里は動じることなく口を開き、「7月8日は病院にいた」と告げた上で、自身がHIVに感染している事実を明かす。こうして汐里は、またしても追及の手を巧みにすり抜けていく。

やがて、汐里が3年前に新庄と娘のもとから去った理由が明かされる。自らがHIVに感染していると知ったとき、彼女は“優しすぎる”政宗が自分を見捨てられないことを知っていた。だからこそ、わざと一人で姿を消すという選択を取ったのだ。「家族のために生き直したい」と語った彼女の言葉の奥には、母としての強さと、自らを犠牲にするしかなかった苦しさが滲んでいた。






















