佐野勇斗が『ひとりでしにたい』で向き合った生と死 これからの10年は「“自分の人生”も」

佐野勇斗が『ひとりでしにたい』で得たもの

 綾瀬はるかが主演を務めるNHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』が現在放送中だ。カレー沢薫による原作漫画から抜け出てきたように、主人公・山口鳴海に綾瀬が完璧にハマっている中、もう一人、本作の実写化を成功に導いた俳優がいる。鳴海に密かな恋心を抱く、同僚・那須田優弥役の佐野勇斗だ。

 『ひとりでしにたい』の原作について佐野は、「タイトルだけ聞いたときは重めの話だと思ったんです。実際、終活のことや独身としてどう生きていくかなど、真剣に向き合わないといけないテーマなのですが、重くなりすぎずにとても面白くコメディタッチで描かれていて、クスクス笑いながら読ませていただきました」と振り返る。

 大森美香による脚本についても、「原作にすごく近い形で脚本を作ってくださっていたので、那須田を成功させるのは、あとは自分次第だなと思っていました」と、原作への敬意を感じたことを明かした。

 那須田というキャラクターについては、「感情表現はすごく難しかったです。第一印象を一言で言うと、『嫌な奴だな』でした。ですが、那須田にもいろいろ思っていることはあるわけで、目の輝きのなさというか、ちょっと死んだような目をすること。原作の那須田にもその雰囲気があったので、その点は意識していました」と役作りのポイントを説明した。また、「那須田が発している言葉と実際に思っていることのギャップ、そこに生まれるかわいらしさは大事にしたいなと思っていました」と、ツンデレとは違う複雑な内面を表現することに注力したという。

 主演の綾瀬とは本作が初共演。佐野は綾瀬について「国民的俳優にもかかわらず、現場ではものすごいフランクで、本当にみんなに好かれる方」と親しみやすい人柄を絶賛。「最終的には親戚のお姉ちゃんみたいな感じでした」と表現した。

 那須田は鳴海に終活についての説明を延々を行うシーンが多々あり、専門用語を含む長台詞が必要とされる役柄だ。「完全に洗礼を受けました」と佐野は苦笑いを浮かべながら振り返る。

「あまり台詞が詰まることってないんです。役者を始めてから約10年、『あの台詞言えなかったな……』と思うことはほぼなかったのに、今回はそう思う日々が続きました。台詞を覚えるのに時間がかかるタイプではなかったのですが、本作に関してはいつもより時間をかけてみっちりやりました。これも本当にいい勉強になりました」

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