『アプレンティス』『帰ってきたヒトラー』など 選挙に合わせて観たい政治を描いた映画3選

参院選投票日に観たい、政治を描いた映画3選 

『未来を花束にして』

『未来を花束にして』©Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.

 最後に紹介するのは、『未来を花束にして』。こちらも2015年公開作で、100年前のイギリスを舞台に、勇気を出して声を上げた女性たちが差別に屈することなく、参政権を勝ち取るために戦う姿を描いたパワフルな歴史ドラマだ。

 物語は、女性参政権運動の中心人物エメリン・パンクハーストとその仲間たちを軸に、政治や社会の壁に挑み、権利の獲得を目指した女性の強い意志と連帯感を丁寧に描き出している。映画はその情熱と葛藤をリアルに映し出し、人間ドラマとしても深い感動を呼ぶ。

 現代に目を向けると、女性の政治参加やジェンダー平等は大きく進んだが、それでも世界中で根強い性差別や不平等は存在し続けている。だからこそ、この映画が伝える「権利は自らの行動と連帯によって勝ち取るもの」というメッセージは、今も変わらず重要だと感じずにはいられない。

 『未来を花束にして』は、社会を変えるのは1人の力ではなく、多くの人々が共に立ち上がり続けることだと教えてくれる作品だ。

 この3本はいずれも、政治や社会の「今」を映し出し、観る者に深く考えるきっかけを与えてくれる。映画で描かれる過去や架空の物語は、決して現実離れしているわけではなく、私たちの暮らしや未来と密接に結びついている。だからこそ、この選挙の季節にこそ、これらの映画を観て政治や社会問題について考える時間を持つべきではないだろうか。

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