『こんばんは、朝山家です。』朝山家の4人にある共感ポイント Aぇ! group 小島健の存在感も

『こんばんは、朝山家です。』の共感ポイント

 『こんばんは、朝山家です。』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の朝山家は、家族4人の性格がバラバラだ。ウジウジしがちな賢太(小澤征悦)に、気が強い朝子(中村アン)。そして、いつも不機嫌な蝶子(渡邉心結)に、飽きっぽい晴太(嶋田鉄太)。それぞれバラバラなのに、全員に共感できるポイントがあるのがすごい。

 
 まず、賢太は、家事と子育てをないがしろにしてエゴサーチをする点は良くないが、せっかく自分が脚本を担当した“国ドラ”の初回放送くらい、みんな揃って観てくれたらいいのに……と思うのも分からなくはない。

 そして、朝子は賢太への対応がかなり厳しい。正直、序盤は「もっと優しくしてあげてもいいのでは?」「ちょっと可哀想」と思ったけれど、賢太も賢太で能天気すぎる部分があるので、「お前も、もっとちゃんと考えろよ!」と言いたくなるのも分かる。

 また、本当は学校にも部活にも行きたくないのに、我慢して通っている蝶子は、「発達障がいだから」と学校を休むことを許されている弟の晴太にイライラしてしまう。「わたしだって行きたくないのに」「怠け者にしか見えない」と。しかし、どうしても学校になじめない晴太もかなりしんどいはずだ。第1話のコラムにも書いたが、“やりたくないけどできはする”のと、“本当にできない”のは、違う。

 ただ、まだ高校1年生の蝶子は、そのあたりを理解するのが難しいのだろう。わたしの友人にも、蝶子と同じきょうだい児がいるが、「わたしがしっかりしなきゃ」というプレッシャーや、「どうしてわたしばかり頑張らなきゃいけないんだろう」という苛立ち、さらには「もっとわたしのことも見てほしい」という寂しさを抱えながら生きてきたという。

 現在、賢太と朝子が一番目を向けているのは、晴太のことだ。自閉スペクトラム症だけでなく、学習障がいの傾向もあると言われている晴太。進学する中学校も、親がきちんと見極めてあげなければならない。そんな時、“普通”に学校に通えている蝶子のことが後回しになってしまうのは仕方がないのかもしれないが、彼女も彼女なりにSOSを出している。

 両親が晴太につきっきりになっている時にわざわざ「お弁当は?」と聞いてきたりするのは、“わたしのことも見てほしい”という気持ちの表れだろうし、「自分でやってよ。晴太動けないから」と言われて「それいっつもじゃん! お弁当ないなら、わたし野球行かないから!」と激怒してしまうのも、寂しさからくるものだと思う。彼女の孤独にも、寄り添ってくれる人が現れてほしい。

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