『ONCE ダブリンの街角で』公開18年なんて「嘘だろ?」 映画館であの頃を思い出したい

『ONCE』は“あの頃”を呼び起こす

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。今週はドラマ『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)第1話に号泣の石井が、映画『ONCE ダブリンの街角で』をプッシュします。

『ONCE ダブリンの街角で』

 2025年も半分がすでに経過、“何かが起こる”と言われた7月5日も日本を揺るがすような大事件などは起こらず、2026年に向けて時間は過ぎています。「2025年」の字面に未だに遠い未来を感じてしまうアラフォーのワタクシ。青春時代の2000年代が、もう20年近く前であることに驚かずにはいられません。

 7月9日からスタートしたドラマ『ちはやふる-めぐり-』は、映画『ちはやふる』シリーズから「10年後の物語」と銘打たれています。10年後!? この事実に驚愕な上に、メインキャラクターを演じていた広瀬すず、上白石萌音は学生役から先生役となり、當真あみ、原菜乃華を中心とした若手俳優たちを導く役割を担っています。元来、“青春”や“継承”、“持っていないヤツが持っているヤツに勝つ”物語に弱い自分にとって、『ちはやふる』はドンピシャコンテンツではあったのですが、そこに“10年”という時間の積み重ねまで加わり、第1話はなんでもないシーンにも涙腺がゆるゆるでした。これからワンクール、自分も青春取り返したいと思います。

 そんな前置きはさておき、7月11日からリバイバル上映が始まった『ONCE ダブリンの街角で』の話です。こちらも日本で公開されたのが2007年。今から18年前という事実に、櫻井翔さん武蔵さんばりの「嘘だろ?」が漏れます。

 『それでも僕はやってない』『天然コケッコー』『サイドカーに犬』『叫』『デス・プルーフ in グラインドハウス』『街のあかり』『今宵、フィッツジェラルド劇場で』などなど、自分にとって2007年に公開された映画は、未だにふとしたときにワンシーンや当時の劇場の空気が思い起こされる特別な作品が多いです。そんな自分にとっての当たり年(単純に人生で一番映画館で映画を観れた年)の中で、殿堂入りしていたのが『ONCE ダブリンの街角で』でした。

 監督も出演者もあらすじも何も分からず、「なんかいいらしい」という評判だけで観た本作。当時はX(旧Twitter)もなく、映画友達がどこからか仕入れてきた噂と、オシャレなチラシだけを頼りに劇場に行きました。冒頭の数分だけで心を鷲掴みにされたのを覚えています。今となっては名匠ジョン・カーニーなわけですが、なんでこんな無名の監督がいるんだと思いました。

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