三宅唱監督『旅と日々』ロカルノ国際映画祭正式出品決定 シム・ウンギョン「とても光栄」

三宅唱『旅と日々』ロカルノ映画祭正式出品へ

 11月7日に公開されるシム・ウンギョンが主演を務めた三宅唱監督の新作映画『旅と日々』が、第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されることが決定した。

 本作は、つげ義春の漫画『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を原作に、脚本家が旅先である男と出会ったことをきっかけに、人生と向き合っていく過程を描いたヒューマンストーリー。『きみの鳥はうたえる』『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』などの三宅が監督を務めた。

 脚本家の李を『新聞記者』、『七人の秘書』(テレビ朝日系)などのシム・ウンギョンが演じるほか、堤真一、河合優実、髙田万作らが共演に名を連ねている。

 そんな本作が、スイス・ロカルノで現地時間8月6日から開催される第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されることが決定した。1946年に始まり、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界四大映画祭の一つであるロカルノ映画祭。最高賞となる金豹賞を受賞した日本映画には、衣笠貞之助監督の『地獄門』(1953年)、市川崑監督の『野火』(1959年)などが並ぶ。近年では、青山真治監督『共喰い』(2013年)や濱口竜介監督『ハッピーアワー』(2015年)など世界を舞台に活躍する監督陣の作品がラインナップされるなか、三宅監督作品は『Playback』(2012年)以来、13年部り2本目の出品となった。本作の公式上映には、三宅監督と主演のシム・ウンギョンが参加する予定だ。

 三宅監督は「ロカルノは私が初めて参加した国際映画祭でした。映画そのものへの親密な敬意が息づくあの空気を思い出すと、今も背筋が伸びます。10年以上を経て、『旅と日々』とともに再訪できる縁を、嬉しく、意味深く受けとめています」とロカルノ映画祭への13年ぶりのカムバックに喜びのコメントを寄せ、主演を務めたシム・ウンギョンは「ロカルノ国際映画祭という素敵な舞台で、皆さまに本作をお届けできることに、今から胸が高鳴っています」と期待を膨らませる。

 さらに映画祭選考委員会より、「『旅と日々』は、まさに日本映画の最高峰を体現していると思います。この映画は、非常に繊細に、本質的な何か、人間の深い部分に触れています」と絶賛のコメントが寄せられた。

 あわせて公開された5点の場面写真には、李(シム・ウンギョン)が雪景色のなかに佇む様子や、魚沼(佐野史郎)から旅を示唆するかのようにカメラを手渡される姿、そこにリンクするかのように夏の海でカメラを向けられる夏男(髙田万作)、自然に囲まれ息をのみながら空を見上げる渚(河合優実)の姿などが切り取られている。

コメント

三宅唱監督

ロカルノは私が初めて参加した国際映画祭でした。映画そのものへの親密な敬意が息づくあの空気を思い出すと、今も背筋が伸びます。10年以上を経て、『旅と日々』とともに再訪できる縁を、嬉しく、意味深く受けとめています。俳優やスタッフが季節をまたいで積み重ねてきた確かな仕事を、何より誇りに思います。

シム・ウンギョン

三宅唱監督の素晴らしい世界観に参加できたことをとても光栄に思っています。
そして、ロカルノ国際映画祭という素敵な舞台で、皆さまに本作をお届けできることに、今から胸が高鳴っています。
『旅と日々』の初めての旅路、どうぞご一緒にお楽しみいただければ幸いです。

ロカルノ映画祭選考委員会

『旅と日々』は、まさに日本映画の最高峰を体現していると思います。哲学的でありながら気取らず、瞑想的でありながら地に足がついている。人生の意味や、私たちが(なぜか)選ぶ道、そして出会いがどのように私たちの存在の一部になっていくのかを静かに見つめている。この映画は、非常に繊細に、本質的な何か、人間の深い部分に触れています。

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■公開情報
『旅と日々』
11月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
出演:シム・ウンギョン、堤真一、河合優実、髙田万作
監督・脚本:三宅唱
原作:つげ義春『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』
音楽:Hi’Spec
製作:映画『旅と日々』製作委員会
製作幹事:ビターズ・エンド、カルチュア・エンタテインメント
企画・プロデュース:セディックインターナショナル
制作プロダクション:ザフール
配給:ビターズ・エンド
©2025『旅と日々』製作委員会
公式サイト:www.bitters.co.jp/tabitohibi
公式X(旧Twitter):@tabitohibi
公式Instagram:@tabitohibi_mv

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