『DOPE』髙橋海人が示した“希望”と運命に争う力強さ 異能力を駆使したアクションも

『DOPE』で髙橋海人が体現した“希望”

 7月4日より放送がスタートした髙橋海人(King & Prince)と中村倫也のW主演で始まったドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)。新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、伊藤淳史、井浦新といった顔ぶれも脇を固め、近未来を舞台にしたアクションエンタメとして、初回から見応えたっぷりの幕開けとなった。

 原作は「第20回電撃小説大賞」で大賞を受賞した木崎ちあきの同名小説。服用すると稀に異能力を覚醒させる新型ドラッグ「DOPE」が蔓延した日本で、通常の警察では太刀打ちできない“能力者=ドーパー”を取り締まる秘密組織「特捜課」の戦いを描く。

 物語の冒頭、中村演じる陣内鉄平の人間離れした狙撃シーンで、一気に本作の世界観に引き込まれる。環境大臣をスナイプで仕留めるのかと見せかけて、撃ったのはまさかのパンツのベルト。銃弾一発で権力者を威嚇し、相手の命もプライドも揺さぶるやり方が、この男の常識外れさを象徴している。

 一方、髙橋演じる才木優人は、麻薬取締官としてはまだ新人だが、生まれつき“未来予知”という特殊能力を持つ。ただし、予知できるだけで未来を変えられるわけではない。むしろ、その力の扱いに悩み続けてきた。幼い頃に大きな事件に巻き込まれ、命を救ってくれた警察官に憧れを抱き、「自分も誰かを守りたい」と心に決めたものの、現実はそう簡単ではない。

 才木が異動を命じられたのは、世間には存在が伏せられたまま活動する麻薬取締部特捜課。公正労働審議官の山口始(伊藤淳史)が創設したこのチームは、表向きは普通の民間企業を装いながら、裏ではDOPEを取り締まるために動いている。メンバーは、協力な腕力を持つ綿貫光(新木優子)、地獄耳を持つ葛城康介(三浦誠己)、嗅覚に優れた柴原拓海(豊田裕大)など、派手さはないが現場で確実に役立つ“異能力”を持つ者たちだ。

 そんな特捜課が初回から直面するのが、DOPEを服用した“ドーパー”による立てこもり事件。オフィスを舞台に、犯人が人質を取り、火炎能力を振るう緊迫の展開が繰り広げられる。説得を試みた山口に迫る危険を察知した才木は、自身の予知をもとに止めようとするが、結果として山口は犯人が放った炎に焼かれて命を落とす。救えなかった未来と、目の前に広がる惨劇。才木の無力さを突きつける残酷な現実だった。

 そんな彼の前に現れたのは、陣内だった。犯人の攻撃をさらりとかわし、あっさりと射殺する陣内の行動に、才木は「なぜ撃ったんですか」と問いかける。しかし返ってきたのは、「ドーパーは更生しない」という冷徹な答えだけ。才木が人としての情で見ている相手を、陣内は容赦なく“排除すべき対象”と切り捨てる。この相性最悪の2人のズレこそが、本作の大きな軸になっている。

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