パク・ボゴムの“熱さ”が光る アクションとロマンスが交差する『グッドボーイ』を徹底解剖

熱血漢で正義感溢れるドンジュは、ジュヨンに怒りを感じながらも、恋するハンナのことを常に気にかけている。ドンジュの一日は、アクション50%、恋愛が50%という具合で、ハンナを見てはにこにこし、直球の告白を何度も繰り返す。パク・ボゴムとキム・ソヒョンが見つめ合う場面では、韓国ドラマお得意の背後の灯りがキラキラとハートに煌めく演出がなされ、ロマンティックムード爆発だ。大量のハートマークがパク・ボゴムのプリティーさを際立たせており、キム・ソヒョンももちろんかわいい。

ドンジュの瞳からは、常にハンナに向かって好き好きビームが放たれている。ハンナの「まだ私が好き?」という問いにドンジュは即答で「うん! ダメか?」と答える。ハンナから冷たくあしらわれても、彼女の名を呼び嬉しそうについて歩く姿は、まさに忠犬……! ハンナが近所の犬に「トンジュ」と名づけたのも納得であり、ドンジュの背に激しく振る尻尾が見えるよう。
ハンナを巡り、ドンジュと元カレであるジョンヒョンが三角関係となり、火花を散らす点も見どころだ。ハンナの方はというと、未練はなさそうだが、ジョンヒョンはハンナのことがまだ好きだとドンジュに宣言する。ドンジュとジョンヒョンは、ハンナの気を引こうとしながら、互いを牽制し合うのも面白い。恋のライバルなのに、パク・ボゴムとイ・サンイのじゃれるようないがみ合いがいい味を出している。

最初はドンジュの熱烈な片思いであったが、ハンナを守るドンジュの姿に彼女の心もドンジュへと傾いていく。ドンジュとハンナが、張り込み中にカップルを装ってキスをするのかというほど顔を近づけたり、入院中のドンジュのベッドに倒れ込んでキス寸前と、何度も繰り返されるトキメキ展開。焦らしに焦らし、ドンジュのネクタイを掴み、突然のキスを仕掛けたハンナ。この展開にはSNSでも歓喜の声が溢れた。

最後に『グッドボーイ』の見どころを、イ・サンイが制作発表で語った「アベンジャーズ」の言葉を借用しつつ締めくくりたい。元メダリストたちが、「アベンジャーズ」として戦う姿はかっこよく、そして笑いを届けてくれる。パク・ボゴムがボクシング選手のドンジュを演じるにあたり、ボクシングを6カ月以上特訓し、体重と体格をパワーアップさせた。そんな努力の甲斐あってドンジュがボクサーとして高速パンチを繰り出す姿は文句のつけようのないかっこよさだ。キム・ソヒョンもまたハンナ役として射撃訓練を同じく6カ月以上行ったという。彼女のライフルを撃つ姿もとてもさまになっている。そして、ジョンヒョンのフェンシングでの剣さばきや足さばきの見事さにも惚れ惚れする。マンシクとジェホンは、作中におけるコミックリリーフを担い、彼らが出てくると笑ったり、和んだりして楽しめる。特にマンシクが麻薬入りの飴を口にした芝居には、ホ・ソンテにこんな演技ができるのかと大笑いさせられた。

パク・ボゴムとキム・ソヒョンの胸キュンだらけのロマンスと、イ・サンイとのハンナをめぐる恋のバトル、ホ・ソンテの新しいコミカルな表情に、オ・ジョンセの無機質な狂気と見どころは山盛りだ。第8話までの物語では、勧善懲悪の展開だが、韓国ドラマはどう転がるかわからない。麻薬の悪魔“麻鬼(マグィ)”として登場のイ・ホジョンも、『わかっていても』のユン・ソル役とはガラリと変わった新しい顔を見せているが、彼女も完全な悪ではないようだ。
本作がこれほどまでに人気なのは、ドンジュ役のパク・ボゴムを愛でるだけでなく、アクション、ロマンス、コメディのバランスの良さに併せて、多くの俳優たちがこれまでの役柄とは違う新しい表情を見せていることも要因だろう。ドンジュのボクサーゆえの病の気配に怯えながらも、麻鬼や、ジュヨンら悪役たちのの哀しく複雑な背景も描かれるのだろうかと期待してしまう。『十八の瞬間』『怪物』のシム・ナヨン監督ならそういった心象描写も盛り込んでいるのではないだろうか。折り返し地点を過ぎたものの、この先さらに面白くなっていきそうな予感が止まらない。
■配信情報
『グッドボーイ』
Prime Videoにて配信中
出演:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソク、オ・ジョンセ
演出:シム・ナヨン
(写真はJTBC公式サイトより)






















