『恋は闇』万琴×浩暉の“依存関係”に何が待ち受ける? 岸井ゆきのが演じてきた“生々しさ”

志尊淳と岸井ゆきのによる水曜ドラマ『恋は闇』(日本テレビ系)が、じわじわと視聴者の心に深く刺さりつつある。6月4日放送の第8話で衝撃的なラストを迎えてから、視聴者の間で波紋を広げている。劇中、岸井の演じるディレクター・筒井万琴(岸井ゆきの)が、GPSを頼りに向かった民家で目にしたのは、血まみれの女性と血のついたナイフを持つ男の姿——その男は、志尊演じる週刊誌フリーライター・設楽浩暉だった。
本作は、『あなたの番です』(日本テレビ系)、真犯人フラグ』(日本テレビ系)といった話題作を手がけた制作陣による完全オリジナル脚本で、恋と謎解きを通して現代社会に潜む「真偽の見極め方」を問う“究極の恋愛ミステリー”だ。視聴率は水曜22時で最低クラスとも報じられたが、SNSでは「今期イチで刺さる」との声が多く、考察も大盛り上がりだ。視聴率では測れない反響の大きさがこの作品の“真の評価”を物語っている。
中でも強く印象に残るのが、第5話で描かれた“共依存”という心理構造だ。「これは恋じゃない。崩壊を前提とした依存の連鎖だ」との声もあるように、この物語の軸は「愛」ではなく、もっと脆く危うい「依存関係」にある。
万琴は浩暉に引き寄せられることで、自分の存在を確かめようとする。彼の視線の中に自分の価値を見出そうとし、「もう逃げたい」と思いながら、なぜか自分から戻ってしまう。そこには「誰かに認識されなければ消えてしまいそうな自分」への痛切な防衛反応が透けて見える。

たとえば、「誰かに求められたい」という不安から始まり、「受け入れてくれた」と感じた瞬間に強く依存し、やがて「裏切られた」と思い込み傷つき、拒絶や暴走へと突き進んでいく。しかし、その痛みの中にいるからこそ、また相手に依存してしまう。