『鬼滅の刃』“音柱”宇髄天元が妻たちを大切にする理由 “忍”としての壮絶な過去を解説

夜中にうなされる理由は……消えない罪の意識
さらに『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』(集英社)では、宇髄の過去がより詳しく綴られている。その内容によると、修行で死んだ姉弟の数は9人のうち3人で、残りは父親の命令によって殺し合いをさせられた結果、命を落とした。そして途中で父の思惑に気づいた宇髄は、最後に残った弟と戦うことを避け、妻たちを連れて里を抜けたのだという。
こうした過去から、宇髄は内心で自分を責め続けていたようだ。同書では、「自分はいつか地獄に落ちる」と口癖のようにこぼし、妻たちを怒らせたり泣かせたりしていたことが明かされている。
またアニメ「遊郭編」の第9話では、宇髄が抱える罪の意識を表現するようなアニオリシーンが登場。3人の妻を連れ、一族の墓参りに訪れた宇髄は、亡くなった姉弟たちについて「一時も忘れたことはねえよ」と語る一方、今でも自分が「地獄に落ちる」と考えていることを漏らしていた。
ただ、それは必ずしもネガティブな意味合いではなく、「姉弟たちのためにもめいっぱい派手に生きてやる」という前向きな決意にもつながっているようだ。
なお「遊郭編」に続く「柱稽古編」の第3話にも、印象的なアニオリシーンが登場。宇髄は一足先に柱を引退したことで自分を責めており、夜中によくうなされている……と妻たちの口から明かされていた。
才能より努力? 煉獄杏寿郎に続く師匠ポジション
宇髄の存在は、炭治郎たちにとっても大きな意味をもっている。炭治郎は宇髄が妓夫太郎と対峙しているところを見ながら、その姿に亡き煉獄杏寿郎の面影を重ね合わせていた。逆に宇髄の方も、戦場に駆け付けた炭治郎たちを「優秀な継子」だと言い、立派な戦力として認めている。
「無限列車編」では上弦の鬼と戦えるほどの実力がなく、傍観することしかできなかった炭治郎たちだが、「遊郭編」では大金星をあげることに見事成功。これは煉獄の死を経て彼らが急成長を遂げたということでもあるが、宇髄が彼らを上手く導いた結果とも言えるだろう。
一方で、宇髄自身は意外と自己評価が低い様子。妓夫太郎に才能を妬まれた際には、自分には才能はないと一蹴していた。煉獄が多くの人を救ったことと比べて、「俺は煉獄のようにはできねえ」と自嘲していたほどだ。
『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎はなぜ“最初の犠牲者”に? 炭治郎たちに与えた決定的な影響
5月9日より5週間限定で、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のリバイバル上映が実施されている。同作といえば国内興行収入404.3億…しかし実際に戦いを終えてみれば、宇髄は大切なものを守り切ることに成功している。ストイックに自分の才能と向き合いながら、ひたむきな努力によって“選ばれた人間”になった柱……。それこそが宇髄天元という男なのかもしれない。
「遊郭編」は、至るところに宇髄の魅力が詰まっている。あらためてスクリーンでその活躍を応援してみてはいかがだろうか。
■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
リバイバル上映中
「『鬼滅シアター-「鬼滅の刃」特別編集版 劇場上映-』遊郭編「遊郭決戦編」」
上映期間:5月30日(金)~6月5日(木)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中 勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
アニメーション制作:ufotable
製作:アニプレックス、集英社、ufotable
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/katanakajinosatohen/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kimetsu_off






















