『鬼滅の刃』“音柱”宇髄天元が妻たちを大切にする理由 “忍”としての壮絶な過去を解説

これまで放送された『鬼滅の刃』のエピソードを再編集して公開する『鬼滅シアター -「鬼滅の刃」特別編集版 劇場上映-』が、全国劇場で実施中。5月30日から6月5日の期間には、「遊郭編」の後半にあたる「遊郭決戦編」が上映される。
同エピソードといえば、音柱・宇髄天元の“ド派手”な活躍を描いているのが大きな見どころだ。そこで今回は、あらためて宇髄にまつわる設定やアニメオリジナルの描写などを紹介していこう。
炭治郎を救った行動の数々……実力を見せ付けた妓夫太郎戦
まず基本的な設定からおさらいしておくと、宇髄は音の呼吸の使い手。“忍の家系生まれ”という経歴の持ち主でもあり、地味な忍としての生き方の反動から、「祭りの神」を自称するほど派手好きな性格になったという。
「遊郭編」では遊郭に潜んだ鬼を探り出すため、炭治郎たちを連れて潜入。的確な判断力によって指揮をとりながら、上弦の陸・堕姫と妓夫太郎との対決を繰り広げた。
その戦闘スタイルは火薬玉を用い、激しい爆発と共に二本の巨大な日輪刀を振るうというド派手なものだが、実は戦闘中にはさりげないファインプレーを連発していた。忍ならではの身のこなしとすぐれた聴覚によって、一緒に戦う炭治郎の命を何度も救っていたのだ。
まずは戦闘が始まって早々、炭治郎は妓夫太郎の戦闘スピードについていけず、鎌が首元まで迫るという大ピンチを迎えることに。宇髄はすかさずそんな炭治郎の身体を投げ飛ばし、妓夫太郎との剣戟を繰り広げていく。
そしてそのすぐ後、宇髄は激しい戦闘を行いつつ炭治郎が深手を負っていることを察知し、怪我の具合について冷静に分析を行ってみせた。上弦の鬼の攻撃をさばきながら同時に仲間を気遣うというのは、柱にしかできない離れ業だろう。
さらに妓夫太郎が血気術「円斬旋回・飛び血鎌」を初めて放った際には、とっさに炭治郎を後ろに蹴り飛ばすという判断力を発揮。このとき炭治郎は体勢的に直撃を避けられなかったので、もし宇髄が隣にいなければ即死していたはずだ。
原作ではいずれの場面もさらっと描かれているが、アニメではより分かりやすく宇髄の行動が描写されており、その実力の高さが浮き彫りとなっている。
妻たちを大切にするのはなぜ? 「忍」としての過酷な過去
そんな宇髄は、忍の家系ならではの壮絶な過去を背負っているという設定も重要だ。原作では10巻収録の第87話にて回想シーンが描かれ、9人姉弟のうち7人が亡くなるほどの厳しい修行を強いられていたことが明かされた。
宇髄自身の回想によると、2つ下の弟も修行を生き残ったものの、他人の命を道具として扱う無機質な人格になっていた。その姿に自分たちを追い詰めた父親と同じものを感じ取った宇髄は、弟のことを「親父の複写」と表現。そして宇髄は「俺はあんな人間になりたくない」と考えて里を抜け、人々を守るために刀を振るうようになる。
なお宇髄には3人の妻がいて、それぞれに大きな愛情を注いでいるが、その態度も忍としての過去に由来している。というのも妻たちは宇髄と同じく忍の者だったため、自分の命を賭けて任務を遂行するよう育てられた過去をもつ。その結果、命を落とすことに何のためらいも覚えない操り道具になりかけていた。
しかし里を抜けた宇髄は、そんな価値観を真っ向から否定。妻たちに向かって「自分の命のことだけ考えろ」「任務遂行より命」と言い放つのだ。実際に「遊郭編」では、彼女たちの身をつねに案じる様子が描かれていた。




















