『続・続・最後から二番目の恋』子を想う母の気持ち 変わりゆく価値観の中変わらないもの

さらにもうひとつ、気になったシーンがある。それは千明の母が「宝物のような子」と娘・千明への愛をストレートに表現したことだ。
近年、世の中的に家族の形、愛の形は多様化している。それは現実世界だけでなく、ドラマや映画を観ていても感じること。「家族であっても愛があるとは限らない」「家族以外とだって親密な関係は築くことができる」といった当たり前を疑うようなメッセージを強く感じる機会が増えた。そして、これは長倉家と千明の関係性にも言えることである。千明と和平は家族でも恋人同士でもない。でも、お互いに困ったときには助け合い、毎朝、朝食を共にする関係性だ。

しかしその中で、今回、このドラマはあえて子を想う母の気持ちを色濃く描いていた。いろいろなものごとや価値観が多様化する中で、昔から変わらないこと、普遍的なものもあるということを伝えるかのように。

千明はもう間もなく60歳だ。この60年の中で、たくさんの価値観が変化し、アップデートされてきたことだろう。そしてそれは千明の母にとっても言えること。「事実婚なんて、イマドキね」と一昔前だったら認められないような価値観を尊重する姿からは、時代についていこうとする、そして先進的な考えを持つ娘の考えをどうにか尊重しようとする母の姿が描かれていたように感じた。

しかし、そんな60年の中でも変わらないことがある。それは母にとって、千明はいつまでも“宝物”であるということだ。変わりゆく価値観の中にも、ずっと変わらないものはたしかにある。ある意味時代とは逆行しているかもしれないメッセージを、『続・続・最後から二番目の恋』の第6話は伝えてくれた。
鎌倉を舞台に、テレビ局プロデューサーの主人公と、市役所で働く公務員の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。2012年1月に第1期の連続ドラマ、同年11月にスペシャル版、2014年に第2期が放送され、本作はその続編となる。
■放送情報
『続・続・最後から二番目の恋』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本:岡田惠和
プロデュース:若松央樹(フジテレビ)、浅野澄美、郷田悠(FCC)
演出:楢木野礼、高橋由妃、西岡和宏(フジテレビ)
主題歌:浜崎あゆみ「mimosa」(avex trax)
制作協力:FCC
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/
公式X(旧Twitter):@zokuzokukoi2025
公式Instagaram:@zokuzokukoi2025
公式TikTok:@zokuzokukoi2025























