横浜DeNAベイスターズ、なぜ“勝敗反映”ショートドラマを制作? 球団職員たちの熱い想い

チーム全体に広がっている「面白いことをやっているな」という雰囲気

――脚本は、カンヌ国際映画祭に出品された映画『PERFECT DAYS』で共同脚本を務めた高崎卓馬さんが担当しています。
小泉:ドラマの根幹になる脚本で、高崎さんの力をお借りできるのは本当に幸運だと思っています。高崎さん自身、プロ野球に対して知見や理解のある方ですし、事前に横浜スタジアムや横須賀スタジアムも見学していただきました。すごく細かいところに目をつけて「これ面白いね」「こうなってるんだね」とメモを取りながら聞いてくださったのが印象的でした。制作を依頼しているAOI Pro.さんの中にもベイスターズに詳しい方が複数いて、日々の試合内容を自分たちでキャッチアップしてくださる、PR会社のバスコムさん含め、「ファンの方が観たときに嫌な思いをしないかな」といった細かいニュアンスまで考えてくれるような体制になっていると思います。
――高崎さんも初の試みということで、前向きに取り組まれているんですね。本作について、選手・監督・コーチたちの反応は?
小泉:僕は選手たちと直接コミュニケーションはとっていませんが、あるチームスタッフからは「お前、またワケわからないことをやるのか」と言いながらも(笑)、「面白いね、うちらしいよね」と。選手や監督もSNSを自分たちで運用しているので、もちろん動画は観てくれていると思います。そもそもマイナスなことを言う人たちはいませんが、「面白いことをやっているな」という雰囲気は、チーム全体に広がっているのかなと思います。
――第3話まで配信されましたが、反響や手応えは?
小泉:僕の中では「想定内だな」という印象です。観た方のコメントを確認していると、概ね好意的に受け取られているように思います。社内の人間からも「面白い」という声が多くて、「次回のことは言わないで、ネタバレになるから」といった会話をすることもありますね(笑)。

――ターゲットである若者たちに届いているという感触も?
小泉:細かいデータをお伝えするのは難しいのですが、バズっている牧(秀悟)選手のダンス動画などを度外視すると、ふだんTikTokを観てくれている層と比べて、やはり若い方が観てくれているという手応えはあります。地域別の視聴層などを見ても、これまでとの違いを肌で感じているので、「方向性は間違っていないんだろうな」と思っています。
――勝敗連動なので、どんな展開にもなり得ると思います。私もベイスターズファンなのでこれは愚問なんですが、負けても楽しめるのかなと……。
小泉:もちろん負けることは想定していませんが、最悪の事態になることも可能性としてはあるので、それに対する解決策は常に考えています。仮にそうなったとしても、ドラマ自体を楽しんでもらわなければ、その先にある「ベイスターズに興味を持ってもらう」という話にはならないので、そこのクオリティは絶対に担保しなければいけない。今までのドキュメンタリー映像作品やYouTubeの映像もすべてそうですが、動画を観ている方に楽しんでもらえるものを作ることが大前提なので、その上でさらにその先を目指していきたいと思っています。
――最後に「こんなポイントに注目したらより楽しめる」といったものがあれば教えてください。
小泉:今後も各話ごとのゲストを楽しみにしていただきたいですし、第2話で登場したレストランのメニューが「デミ“ラミレス”ハンバーグ」になっていたりと、実は小ネタも挟んでいます。新規の方にベイスターズの魅力を伝えていくのと同時に、既存のベイスターズファンの皆さまにも楽しんでもらえる要素を散りばめているので、ぜひそれを見つけてほしいですね。誰か一人が気づいて、「わぁ、本当だ」と広がっていっても面白いなと思っています。
■配信情報
『神様、おねがい』
球団公式TikTok、球団公式YouTubeにて、2週間に1回程度配信中
出演:栗林藍希、ぎぃ子、中山翔貴ほか
監督:室田晋
脚本:高崎卓馬
主題歌:Lucie,Too
制作:株式会社AOI Pro.
制作著作:株式会社横浜DeNAベイスターズ




















